【球界男前列伝~男が惚れる男たち】三浦大輔インタビュー<後編>嫌だった“ハマの番長”。諦めついた「少女の言葉」
いつの時代でも、プロ野球のグランドには男前がいる。その姿、そのプレー、その言葉…老若男女を魅了する彼らは、どのような信念を持っているのか。第1回は“ハマの番長”三浦大輔氏に話を聞いた。(取材・文:海老沢純一)
2018/01/30
Kana Yamagsihi
二段モーション抵触も「絶対何とかしてやろう」
プロ野球選手が持つ“かっこよさ”には、もちろん「見た目」の要素もある。打撃フォーム、投球フォーム、ユニホームの着こなし…。三浦大輔氏は、テレビゲームでも再現される独特の投球フォームで魅了した。
自らの投球フォームについて、三浦氏は「どうやったらキレのあるボールを狙ったところに投げられるか。どうやったら真っ直ぐも変化球も同じフォームで投げられるか。そればっかり考えてましたね」と振り返った。
そして、身につけたフォームによって無四球完投を通算16試合記録するなど、抜群の制球力を誇り通算172勝を積み上げた。
しかし、06年に二段モーションが禁止となった際、三浦氏も影響を受けた1人である。左足を小さく2度上下させる動きが抵触した。
「大変でしたよ。体にしみこませた投球フォームでしたから。それを変えるっていうのは、簡単なことじゃなかった。ただ、それでだめになったって言われたくなかったですから、絶対何とかしてやろうと思って。大変でしたけど、やるしかなかったですからね」
その言葉通り、三浦氏はフォーム修正を余儀なくされながらも確実に対応し、その後74勝を挙げた。そして、三浦氏の引退試合の始球式には長男・澪央斗さんが登板した。その投球フォームは、三浦氏のものと瓜二つだった。
「小さい頃には、たまに教えたりしましたけどね。息子もテレビで観てますし、自然とそうなったんじゃないですかね。DNAもあると思いますけど」