ソフトバンク・岩嵜翔、先発への未練捨てた2017年。“8回の男”が挑む11年目への決意
福岡ソフトバンクホークスの岩嵜翔投手は中継ぎに専念した昨季、自身初のタイトルを獲得して日本一に大きく貢献した。「工藤塾」での肉体強化が奏功した“8回の男”はオフもストイックにトレーニングに励む姿を見せていた。
2018/01/31
先発の未練捨て、中継ぎ一本へ
そして2017年、ずっと持ち続けていた先発への未練を捨て、中継ぎ一本に絞った。シーズン中にもトレーニングは欠かさない。自身の状態を理解できるようになったこともあり、うまく身体と付き合えるようにもなってきた。その結果、6勝3敗46ホールドポイント2セーブ防御率1.99の成績につながったというわけだ。
初のタイトルを獲得したシーズンを振り返り、「こんなに投げるとは思っていなかった。一年間がんばった証がタイトル。頑張ってきてよかった」と笑みをこぼす。
岩嵜は2015年の優勝旅行にも参加していない。「自分はハワイに行っている場合ではない」と、福岡県豊前市の山道をひたすら走っていた。
今年はそのときとは状況が異なる。登板数も優勝への貢献度も比べものにならない。それでも「はじめから優勝旅行には参加せず、自主トレをするつもりでいました」と、今年も山道を駆け上がっていた。2年前と違い、自信に満ちた表情だった。きつさの中にも余裕が見え隠れしていたように思う。
目標としているのは不動の守護神・サファテ。一年間ブルペンでその凄みを実感してきた。「ずっと近くで見てきました。全体的にパワーアップしないと、サファテのような力強い投手には近づけない」と、いつでも身体のケアには余念がない。
今季は2年連続でのタイトル獲得を誓う。さらに工藤監督からは「160キロを出すポテンシャルは持っている」と評価されている。現実味のない話ではない。プロ11年目、真価を問われる2018年シーズンだ。