松坂よ、壊れるまでやれ。再起には理想的な舞台、中日で成功する3つのポイント【小宮山悟の眼】
松坂大輔投手が中日ドラゴンズに入団した。もう後がない“平成の怪物”は再起を賭けてセ・リーグの舞台に挑む。今回は松坂が成功するための3つのポイントをについて考える。
2018/02/01
松坂の「プロフェッショナル」の認識とは
次のポイントは、中日の環境だ。
中日には数年前まで山本昌という“レジェンド”がいた。つまり、大物の影響力の大きさを知っているチームというわけだ。ここに、松坂というビッグネームは若い選手にどんな影響を与えられるか。松坂が教科書のような存在となり、チームの若手がそれに触発されれば、山本昌がいたときのようなチーム状況となるだろう。(若手がどの程度、山本昌に影響を受けたかは、数年先にわかるとは思うが……)
松坂は誰もが申し分ないと思うようなキャリアの持ち主でありながら、ここ何年間は苦しいシーズンを過ごしてきた。その過去を乗り越えようとしている。そんな姿勢は中日の選手にとってプラスになる筈だ。さらに、成功することで松坂の価値は高まる。
一方で、松坂が練習ですぐに別メニューなどを繰り返して、思う様にならない様だと、不満分子となる可能性もある。
最後のポイントとなるのは、松坂が「プロフェッショナル」をどうとらえているか。
私が現役のころに思っていたプロフェッショナルとは、「現場の最高責任者である監督の思惑通りに働くこと」だった。だから、メジャーから日本球界に復帰して2年目で「お前、ブルペンな」と言われても従った。当時40歳で、その年齢での配置転換は本当にきつかったが、職責を全うした。
松坂はプレーヤーとしてどんな考えを持っているのか。現状の中日のチーム編成を見ると、ブルペンより先発陣に空きがあるのは間違いない。しかし、松坂がローテ争いに敗れ、崩れた先発投手の後を任されたとしたら、彼はその役目を果たすことができるだろうか。
森繁和監督がチーム事情によって、さまざまな起用法を考えたとき、松坂は「どのポジションでも獅子奮迅の活躍してやろう」という気持ちが持てるのか。最初にも言ったが、違和感や痛い、かゆいと言っている1年じゃない。結果を出すために責任を全うできるかが問われるのだ。