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ヤクルト、“宮本節”でぬるま湯脱却へ。フロントの愚考も翻意…ヘッド就任の効果は?

昨季セ・リーグ最下位に沈み、球団最多の96敗を喫した東京ヤクルトスワローズ。コーチングスタッフの改革を行って臨む春季キャンプは、これまでのソフト路線は見る影もなく、選手たちは厳しいメニューに取り組んでいる。強いヤクルト復活に心を砕いているのは宮本慎也ヘッドコーチだ。

2018/02/07

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復帰NGが一転…愛のムチ振る宮本ヘッド

 そのウィークポイントを早くから指摘していたのが宮本ヘッドである。実はまだユニホームを着る前の野球評論家時代、ヤクルト戦中継のテレビ解説の席上で古巣の“盲点”をあえて指摘し、鋭い舌鋒とともに正論の嵐を浴びせたことがあったという。
 
 当時はちょうど、それまでの2年連続最下位から真中体制になってリーグVを決めた2015年のシーズン。この古巣批判を同年のペナントレースが佳境になった頃、ようやく耳に入れたスワローズのフロント幹部が“結果も出ているのに泥をかけやがって”と言わんばかりに激怒し、周囲には「自分たちが目の黒いうちは二度と敷居をまたがせない」とまで言い放っていたとも聞く。
 
 だが、この宮本発言はスワローズの現状に対する強い危機感を覚えていたからこそ飛び出したもの。古巣の将来を憂うがあまり、憎まれることを覚悟の上で厳しい提言を口にしたのは明白であった。そして、皮肉なことにその言葉は現実となり、昨季は球団ワースト記録を更新する96敗を喫して最下位に沈み、2年連続のBクラスで暗黒時代へと迷い込んだ。
 
 宮本発言に神経を尖らせていた前出のフロント幹部も、自分たちの愚考にようやく気付いたのだろう。再登板の要請をかけた小川淳司監督から宮本ヘッドの就任を懇願されて受諾。そして今、宮本ヘッドは水を得た魚のようにスワローズの選手たちへ愛のムチを振るい、鍛えまくっている。
 
 「練習量を増やすなんて今の時代に逆行する」とネガティブな見方をする関係者もいると聞くが、そうは思わない。練習はうそをつかないはずだ。これはどんなスポーツでも定石である。
 
 強いスワローズを復活させようと心血を注ぐ宮本ヘッドら新首脳陣の奮闘と、ようやく目を覚ました燕ナインの今季躍進に期待したい。

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