異色の経歴、育成ドライチ「和ギータ」の潜在能力。井口監督へ披露した悔いなき一振り【マリーンズキャンプ通信2018#2】
首脳陣の前で豪快な一発を決めた千葉ロッテマリーンズ・育成ドラフト1位の和田康士朗。異色の経歴はドラフトでも注目を集めたが、早速キャンプで潜在能力の片りんを見せつけた。
2018/02/08
千葉ロッテマリーンズ
1年前と環境は雲泥の差
異色の経歴の持ち主でもある。中学校までは野球をしていたが、埼玉小川高校で野球を辞め、陸上部で走り幅跳びの選手としての日々を送っていた。6メートル45。それが和田の当時の走り幅跳びとしての記録。
野球熱が再び湧いてきたのは高校1年の夏。埼玉県大会初日の初戦をボッとテレビで見ていると小中学校での野球のチームメートがベンチ入りしているのを知った。相手は名門・花咲徳栄高校。驚いたのと同時に沸々と野球への未練が湧きだした。高校1年の三学期に陸上部に退部届を出すと、地元のクラブチーム入りし、野球を再開。高校を卒業のタイミングで前年にクラブチームの先輩が独立リーグのチームにテストで合格をして入団をしていたことから「自分も腕試しに」とトライアウトを受験するとドラフト1位という破格の扱いで入団が決まった。3月からチームに合流しNPB入りを目指して1年間、ガムシャラにプレーをした結果として今、千葉ロッテマリーンズの一員としてキャンプに参加をしている。
「ちなみに昨年2月はまだ独立リーグのチーム入りする前で、自動車免許の合宿のため2週間、山梨にいました。このチャンスを逃したら免許をとれないと思ったので……。同じ合宿でも1年後はプロ野球のキャンプ。信じられないですよ」
背番号「122」を背負う若者はキラキラと目を輝かせながら、笑った。野球は大好きだが、向き合ってきた時間は他の選手たちと比べるとあまりにも短い。1メートル84、72キロと体も出来上がっていない。ただエリートたちが知らない苦労は経験をした。まだその潜在能力の片りんを見せたばかり。躊躇なきフルスイングに底知れぬ可能性を感じる。