斎藤佑樹よ、何をしているのか? 伝わらない理想像。努力は分かるが…。好転させるには?【小宮山悟の眼】
プロ野球の春季キャンプが始まり、ファンにとっては心躍るシーズンが到来した。球界は多くのキャンプのニュースで盛り上がりを見せている。そんな中、気がかりなのは背水のシーズンを迎える北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹投手だ。
2018/02/11
不安感じる斎藤の言葉、伝わらない目指したい投手像
日本ハム・斎藤のアリゾナキャンプの状況までは把握できていないが、キャンプ前の自主トレのコメントなどを見ていると不安を感じずにはいられない。
プロ入り8年目になるが、これまでの彼を見ていると、本人が目指したい投手像と目指すべき投手像にギャップがあるように思う。斎藤の中には「こうなりたい」というものがあるのだろうが、それが見ている側には伝わってこない。何を目指すにしろ、形として示さなければならないのだが、「何をやっているのか?」と言いたくなるくらい全く伝わるものがない。
全盛期と言われる高校や大学1年のころのようなフォームに戻したいと思うのは問題ないことだ。しかし、今の斎藤は何となく1年を過ごして、毎年、それを繰り返しているように見える。本人は努力をして、いろんなことをしていると言うかもしれない。だが、結果が伴っていないのはやっていないのと同じだ。そう映ってしまっていることが問題なのだ。
斎藤が現状を変えるために試行錯誤しているように見えない。そこを本人はどうとらえているのか。昨季2年ぶりに1勝を挙げた際、「代り映えがしない」とコラムで厳しく指摘した。その部分が変わらなければ、状況は好転しないと伝えたかったからだ。
通常、選手というのは結果が出ない時期が来ると、試行錯誤してもがくものだ。あの手この手と取り組みを変える。斎藤の現状を冷静に判断すると、やることなすことの全てがうまくいっていないから低迷を招いている。それにも関わらず、何かを劇的に変えるという作業をしているようには感じられないのだ。