ソフトバンク柳田を見逃したら損! 逆方向への一発が予感させる“伝説のシーズン”
2018/02/16
Kana Yamagishi
今、最も球場で見たい選手といえば、多くの人々が柳田悠岐の名を挙げるだろう。背中に付くほどのフォロースルーから放たれる豪快な打球は、それだけでチケット代を払う価値がある。
宮崎・アイビースタジアムで行われている福岡ソフトバンクホークスの春季キャンプも終盤に差し掛かった15日、柳田は早くも存在感を放っていた。
小雨がちらつく中で行われたフリー打撃では、軽々と柵越えを連発。その後に行われたシート打撃では、自身今季初の実戦形式ながら、石川柊太からレフトオーバーの二塁打、笠谷俊介からはレフトスタンドに飛び込む本塁打を放った。
一般的に、逆方向へ長打を放つのは技術とパワーが伴っていなければ難しいとされる。しかし、柳田にとってはこの逆方向への長打こそが魅力とも言える。
練習後、報道陣の取材に応じた柳田は、石川との対戦について「ノースリーから、よろしくないスイングをしてしまったので、修正した結果」とし、笠谷との対戦については「いいスイングをすれば、逆方向にも飛ぶんで」と振り返った。
その口調は、当然のことを話しているかのようだったが、それは逆方向へ飛ばす技術とパワーを兼ね備えているという自負があるからだろう。
また、シート打撃での守備では、本来のセンターではなくライトについた。これは、3月の侍ジャパンに向けた調整と見る向きもあるが、ソフトバンクでもライト・柳田が見られるかもしれない。
柳田は、昨季のゴールデングラブ賞に選出されたものの、センターでのUZR(守備を通じた失点減への貢献度を図るデータ)では、-11.3を記録して不安定さを見せた。
しかし、柳田の大砲のような強肩はライトでこそ生きるという声もある。ライトに柳田が入れば、相手にとっては二塁打が単打になるなど、大きな脅威となる可能性は高い。
昨季、柳田はレギュラーシーズンの終盤に負傷で離脱を余儀なくされたものの、130試合に出場して.310、31本塁打、99打点を記録するなど、18本塁打に終わった2016年の鬱憤を晴らすような活躍を見せた。
ところが、現在の状態については「昨年より良い」と答えた。MVP級の活躍を見せた昨季より「良い状態」の柳田が、どのようなパフォーマンスを見せるのか。負傷さえなければ、伝説に残るほどの活躍も期待できる。
ソフトバンクファンならずとも、この柳田悠岐を「スタジアムで観なければ損」というシーズンとなるはずだ。