日本球界にメリットも? 元巨人助っ人が語る壮大な“本気の夢”【カリビアンシリーズ戦記】
メキシコで開催されたカリビアンシリーズは、盛況の中で幕を閉じた。今大会の運営副委員長を務めている元巨人のエドガー・ゴンザレスは、大会後に自らの胸に秘める壮大な夢を語った。(取材・文:高橋康光)
2018/02/17
Yasumitsu Takahashi
「日本で「カントク」になりたいですよ(笑)」
――今も日本球界とはコンタクトを取る機会はありますか?
「今は巨人のスカウトは辞めましたが、関係者は今でも友人ですしコンタクトを取っていますよ。日本のことは本当に好きですし、2016年11月に侍ジャパンとのテストマッチで訪日した際にも歓迎してくれて本当にうれしかったですよ」
――日本球界から受けた影響はありますか?
「たくさんありますよ。特に規律への意識ですね。日本人の仕事の進め方や教育の高さ、秩序だったところ、時間に正確なところなどもです。こういう要素が揃わないと野球はうまくいかないものです。だからこそ、日本は色々な大会で成功を収めてきたと思います」
――将来のビジョンを教えてください
「日本で「カントク」になりたいですよ(笑)」
――日本の野球ファンにメッセージをお願いします
「日本の皆さんに心からのあいさつを送ります。メキシコの人々も日本のことが好きですよ。メキシコと日本がいい関係を持てるようにと願っていますし、それがメキシコ球界の発展につながると思っています」
「日本をカリビアンシリーズへ」。突拍子もない発言に思えるが、エドガー氏が本気なのはその口調からも十分に伝わってきた。その証拠というわけではないが、「記事がアップされたらぜひ知らせて欲しい」と彼のメールアドレスを私に教えてくれたのだ。
エドガー氏の言う通り、確かに日本にも事情がある。通例、カリビアンシリーズは2月上旬に行われている。日本ではキャンプインしていることもあり、前年度の優勝チームが主力を引き連れて参加することは不可能かもしれないが、若手選抜などを編成することは不可能ではないだろう。
日本のカリビアンシリーズ参加が、大会の活性化やメキシコをはじめとする参加国の野球界の発展に貢献できる可能性がある一方、日本球界にもメリットはある。日本国内での野球人気が頭打ち状態と言われて久しいなか、海外にNPBの存在をアピールできる貴重な機会となるだろうし、選手たちにとってもアウェイの地で日本と異なる野球と対戦できる場にもなる。
日本球界にとって非常に魅力的な機会に思えるエドガー氏からオファー。このラブコールが日本球界に届く日を期待したい。