「黄色を使ったりね(笑)」。最強の遊撃手、松井稼頭央。その“かっこよさ”の理由【球界男前列伝】
いつの時代でも、プロ野球のグランドには男前がいる。その姿、そのプレー、その言葉…老若男女を魅了する彼らは、どのような信念を持っているのか。第2回は“史上最高の遊撃手”、松井稼頭央選手。(取材・文:海老沢純一)
2018/02/27
Kana Yamagishi
「必然と練習量が増えたんですよ」
それでも、「ちゃんと振れば、ボールは飛ぶんで」と松井稼頭央は語る。さらに、「松永浩美さんがスイッチのホームラン数の記録(1985年に記録した26本)を持っていたんですけど、スイッチとして一番になりたいとはずっと思っていましたね」とも振り返った。
ただ、松井稼頭央はプロ入り前の高校生時代は右投げ右打ちの投手だった。プロ入り後にスイッチヒッターへと転向し、利き手とは逆の左打ちも体得しなければならなかったが、
「左の方がコンパクトなんですよね。シャープというか。右はもともとなんで、ちょっと大振り的な感じはあるんですけど。左の方がコンパクトだったんで、思いのほか、振れましたね」と、それほど苦にはしなかったことを明かした。
松井稼頭央の“かっこよさ”の理由は、抜群の身体能力と天性の野球センスを兼ね備えていることが大きい。
しかし、本人も「やらなければいけないことがたくさんあったんで、必然と練習量が増えたんですよ」と語るように華のある風貌の裏に何倍もの努力という下支えがあるからこそ、“真のかっこよさ”を放つことができる。
そして、松井稼頭央の魅力はトリプルスリーを達成する打撃・走塁のみならず、内野の花形とも言える遊撃での守備にあった。