『俺、かっこよかったな』。古田氏から4盗塁、守備の美技…松井稼頭央が語る最高の瞬間【球界男前列伝】
いつの時代でも、プロ野球のグランドには男前がいる。その姿、そのプレー、その言葉…老若男女を魅了する彼らは、どのような信念を持っているのか。第2回は“史上最高の遊撃手”、松井稼頭央選手。(取材・文:海老沢純一)
2018/02/28
Kana Yamagishi
「“大人げない大人”になりたい」
打撃、走塁、守備、さらにはスタイルでも西武ドーム(現メットライフドーム)を彩った松井稼頭央だが、今季から選手兼コーチとして再び、そのグラウンドに戻る。
「西武の選手は、みんな個性豊かだし、個々の能力の高さはすごいなと思いますね。派手な選手もいれば、長距離打者も足を使う選手もいる。そういう意味では、昔の西武とも似てるのかなと思いますね」
西武での春季キャンプは15年ぶりとなるが、変わらぬチームカラーがある。
「バリエーション豊かと言いますか、昔からそういう選手が非常に多かったので。若い選手を見ていても楽しみな選手がいっぱいいる。面白いチームですよね」
自身は現在42歳で25年目のシーズンを迎えるが、「気持ちも新鮮ですし、いい緊張感の中でキャンプができている」と充実感を滲ませた。
とはいえ、個人・チームともにタイトルを獲得し、MLBでのプレーも経験した。25年目を迎えるモチベーションは、どんなところから湧いてくるのだろうか?
「野球が好きってだけじゃないですか」
松井稼頭央は、そう即答した。さらに、「野球が趣味じゃないかってくらいなんで、今は現役以外考えられない」とも語る。
多くの野球少年の憧れの存在である松井稼頭央だが、自らはどのような理想像を持っているのか。
「うーん、無いんですよね。“大人げない大人”になりたいとは思ってますね。今でも何が大人かわかんないんですけど」
“大人げない大人”。日本球界において現役野手では最年長となる松井稼頭央の目には、今でも野球少年のような輝きがある。西武の番号7を背負い、野球を楽しむ姿に、再び我々は魅了されるだろう。