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ソフトバンク・田中正義、大卒ドラ1の“情けない1年”から開幕1軍へ。ベテラン左腕に学んだ姿勢とは

福岡ソフトバンクホークスの2016年ドラフト1位・田中正義投手は2月28日、春季キャンプを終えた。即戦力として期待された昨季は、シーズンのほとんどをリハビリに費やした。「開幕1軍」を目指す右腕が2年目にかける思いとは。

2018/03/02

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常勝チームで受け継がれる育成術

 “育成”というとコーチングスタッフがやるものだと捉えがちだが、常勝チームにおいては先輩から後輩へ自然と受け継がれるものがある。技術指導やトレーニング方法、細かな気付きを助言することが、後輩の育成につながっているのだ。
 
 自主トレを共にした田中は和田の練習量と質に驚いたと言う。「和田さんの野球に対する取り組みを真似しないといけない。若い頃のメニューはケタ違い。今の和田さんを見て、それを妥協することなくやってこられたのだなと感じます」
 
 これに対し和田は「若い頃は今の何倍もやっていましたよ。だからと言って、それを正義に強要することはない」と優しい笑顔を見せる。“俺たちの時代はこうだった”は、もう古いのかもしれない。今は今のやり方で、自分に合った方法で成長できればいい。
 
 田中はこうも話す。
  
 「このチームは人としてすごいなと思える選手が多い。そりゃ強いよなって感じです。和田さんもそうですけど、内川さんがリハビリされているときに『こういうときはどんな気持ちで練習されているんですか』と尋ねたことがあります。そしたら『バットが握れないからこそ、できるイメージもある』と教えて下さいました」
 
 自身はまだそのレベルに達していないと言う。選手として同じ目線でありながら、経験値の違いから学ぶことは多い。

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