遅咲きの主砲、広島・松山竜平。「クビを覚悟」も…32歳での覚醒に導いた新井の言葉【インタビュー】
昨季、セ・リーグで連覇を果たした広島東洋カープ。その原動力となったのは、中盤以降4番に座った松山竜平外野手だ。32歳にして、ついに真価を発揮した松山だが、その背景にはある人物の一言があった。
2018/03/07
新井の一言に「そうだよなって思いましたね」
新井貴浩は、2016年にセ・リーグ史上最年長となる39歳でMVPに輝いた。そのシーズンは.300、19本、101打点という成績だったが、数字以上にチームへの貢献度が際立つ活躍を見せた。
「勝負強くて、凡打でも犠牲フライでも、なんとかして走者をかえす打撃ができる。満塁だったら四球も取れる。本当になんとかしてくれる打者っていうのが新井さん。ずっとこういう人になりたいなっていうのは思っています」
理想の4番として新井貴浩の名を挙げた松山だが、昨季はその新井にも引けを取らない活躍を見せた。それでも、「スタートでつまずいて、チームに迷惑かけたんでそこは反省しないといけないし、クライマックスシリーズでは何もできなかった」と悔しさをにじませた。
シーズン序盤、苦しい時期に手を差し伸べたのも新井貴浩だった。
『松っちゃんは、振っていって調子を上げていくタイプなんだから、どんどん振っていこう』
その言葉によって、松山は「そうだよなって思いましたね」と吹っ切れたという。尊敬する新井の一言によって、その打棒は開花の時を迎えた。
「僕がこだわっている数字は打点と得点圏打率。100打点は絶対にとりたい」
松山がシーズンを通して真の力を発揮した時、広島東洋カープは3連覇そして日本一へと大きく近づくだろう。
取材・文:海老沢純一