セリーグ2015年展望 上位2チームの首位争い、下位4チームの3位争い【小宮山悟の眼】
いよいよ27日にプロ野球ペナントシリーズが開幕となる。今季はどのような展開が予想されるのだろうか。まずはセリーグ編からだ。
2015/03/27
下位チームはほぼ同等の力
4位：横浜DeNAベイスターズ
キーパーソン：筒香嘉智
4位は横浜。阪神―横浜―中日と、等間隔に並ぶと予想した。弱点は、投手陣に柱になる存在がいないこと。開幕投手に指名されている久保は、矢面に立つリーダータイプではない。ピッチングスタイル同様、かわし手が得意な性格なので、グイグイ引っ張る役回りは不向きだろう。性格的には山口が向いていると思う。太い柱になれる可能性を持った彼が、どこまで成長できるのか。そこに注目したい。
野手陣に関して中畑監督がもっとも期待を寄せているのは、今季から4番を務める筒香だろう。彼が順調に成長していけば、間違いなく何年間もチームの核になり続けられるような選手になれる。筒香の弱点は守備面だが、チームの柱・核を育てるためにも監督には、たとえ彼の守備が拙かったとしても、我慢して4番で起用し続けてほしい。投手陣も若いだけに、彼らも同じようにキャリアを積めば、2、3年後には面白いチームが誕生するのではないだろうか。
5位：中日ドラゴンズ
キーパーソン：谷繁元信監督
中日は5位と予想。兼任監督という立場上、自分がマスクをかぶっていない試合では、相当にイライラするシーンが続出するだろう。もちろんそのイライラの経験は昨シーズンもしている。だが、おそらくメインで出場するであろう松井雅に、いきなり谷繁クラスの捕手に成長することを求めるのは酷というもの。今季も、イライラシーンは続くだろうし、それは監督にとって相当負担になるだろう。
投手力にも陰りが見えている。監督は自分の中で不安を抱える投手をマウンドに送らなければならない。しかも捕手のリードはおぼつかなく映る。そうなれば采配にも悪い影響が出る恐れがあるだろう。だからと言って、自分が試合に出てマスクをかぶっても問題は解決しない。目先の試合はしのげても、監督の立場上、後進の捕手の育成の妨げになるからだ。中日は世代交代を進めなければならない時期に足掛かっている。監督にとってはつらいシーズンになるのではないだろうか。
6位：東京ヤクルトスワローズ
キーパーソン：成瀬善久
ヤクルトは横浜とほぼ横並びの6位。注目はFAで加入した成瀬。オープン戦では散々な結果が続いたが、シーズンでの登板でも同じような投球内容が続いたら目も当てられない。ヤクルトがFA補強に踏み切ったことは非常に珍しく、それだけ球団として今季にかける力が入っている証拠でもある。その選手が、たとえオープン戦といえども結果を残せていないのだから、本人も相当焦っているだろう。
打線に関してはリーグトップと言ってもいい。それだけに、投手陣の弱さが際立つ。故障、または故障がちの投手が多く、なかなか計算しづらい面がある。もちろん、すべてのメンバーが万全の体調でシーズンに臨めば、相当な駒が揃っているが、それは過度な期待というものだろう。そんな投手陣にあって、若手・児山の活躍には期待したい。キャンプ視察時に、素晴らしいボールを投げていたのが目に留まった。どのような起用の仕方をされるかはわからないが、あのブルペンと同等の投球ができれば、1軍でもかなりの成績を残せるのではないか。
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小宮山悟（こみやま・さとる）
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ（現千葉ロッテマリーンズ）へ入団。精度の高い制球力を武器に１年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ（現横浜ＤｅＮＡベイスターズ）へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Ｊリーグの理事も務める。