白星発進、ソフトバンクが王者の貫禄。千賀の好投がチームにもたらす効果とは
昨季の日本一・福岡ソフトバンクホークスが開幕戦を白星で飾った。12球団初の育成出身開幕投手・千賀滉大は、オープン戦の不安を払しょくする落ち着いた投球だった。
2018/03/31
自己を見失わない千賀の投球
後を継いだ岩嵜翔が3人でピシャリ。その裏、100球を超えた西を捉え、一死満塁で柳田悠岐が左中間を破る2点適時二塁打を放つ。こうなれば一気にソフトバンクの流れだ。9回はサファテが安定の投球を披露し、ゲームセット。2対0で白星を飾った。
「緊張する開幕の舞台で、自分を見失わずに投げてくれた。オープン戦の反省を生かしたいい投球でしたね。彼を信じて一年間戦っていく。そのつもりでローテーションを組んだ。投手はちょっとしたことがきっかけで良くなるので、この一週間を考えながら過ごしたのでは。これを続けてくれれば、次もいい投球をしてくれるはず」と、工藤公康監督は千賀の投球を振り返る。
2戦目に先発する武田翔太もまた、オープン戦で不安を露呈した投手の一人。それでも「千賀さんがいい投球をしてくれると思うので乗っていきたい」と試合前に話していた。まさにその通りの展開となった。
先発が試合を作り、打線がつながり主軸で得点する。それをリリーフ陣が守り切る。ソフトバンク本来の戦い方で勝利を飾った。1、2回に走者を出しながらも、いずれも併殺にとり、27打者で終わった。エースの好投がチームを勢いづけたのは間違いない。
143分の1ではあるが、この1勝がチームにもたらす影響は大きい。“オープン戦の不調は何だったんだ”と言える今後の展開を期待したい。
古江美奈子