開幕3連勝の西武、走塁から見えた今季目指す野球。指揮官の高い理想に応える選手の意識
プロ野球開幕3連戦を終え、きょうから2カード目に入る。12球団がそれぞれ今季目指す野球の“色”が見えてきた。埼玉西武ライオンズに光るのは走塁のうまさだ。
2018/04/03
守備の隙を突く積極的な走塁
北海道日本ハムファイターズとの開幕3連戦を振り返ってみる。
まず1戦目。1点を先制した後の3回表、先頭の炭谷銀仁朗が左翼前安打で出塁すると、続く9番・金子侑司が遊撃ゴロの併殺崩れで走者が入れ替わった。偶然の産物に思われるが、これは昨年から続いている辻野球だ。
無死一塁のケースで走者が俊足でなく、打者が俊足の場合、送りバントはしない。強攻でいってヒットで繋がればチャンスは広がるし、走者が入れ替われば、盗塁など様々な攻撃を仕掛けられるからである。
そして、金子侑はすぐさま盗塁を成功させた。続く1番・秋山翔吾の左中間適時二塁打で1点を追加した。仮に金子侑が送りバントして、二走・炭谷となるより、打者・秋山へのプレッシャーが少なかったのかは推して知るべしだ。
さらに攻勢は続く。2番・源田壮亮がショートの頭を超える左翼前安打を放った。このとき、日本ハムの外野守備は前進守備を敷いていたが、秋山は完璧なベースランニングで本塁にタッチした。秋山の好走塁が得点を生んだが、同時に打者走者の源田が二塁を陥れているのも忘れてはいけない。
日本ハムサイドからすれば、前進守備を敷いておきながら二塁走者をホームで刺すことができないうえ、打者走者にも得点圏に進まれた。仮にホームがアウトでも、ピンチは続いたということだが、このケースは最悪と言えた。今季からチームの主将に就任した中田翔が「得点という形の援護以外にももっと投手を助けることができた」と嘆くはずである。
相手守備の隙を突く積極的な走塁。試合の主導権はあっさりと西武が握った。