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開幕3連戦でチーム最多打点 2番打者の顔、楽天・藤田一也の9番起用の狙いとは?

開幕カードを1勝2敗と負け越した楽天。大久保新監督は、この3試合で、これまで不動の2番打者だった藤田を9番に起用した。果たしてその狙いとは何なのだろうか。

2015/03/31

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ベースボールチャンネル編集部



9番でも役割は、2番打者

 藤田と言えば、楽天へ移籍してきた2012年以降、2番打者として273試合にスタメン出場している。初Vを飾った2013年は理想の2番打者像を描いてみせた。走者1塁、安打・四死球・犠打・進塁打で一塁走者を67%の高確率で得点圏に送り込む職人芸で日本一に貢献。近年、楽天の2番と言えば藤田が顔だった。
 
 しかし、監督が代わった今季は様相が異なる。オープン戦でも2番に入ったのは2月21日の日本ハム戦の1試合のみ。2番には牧田や福田、ウィーラーが起用されることが多く、藤田は9番を任されることが大半だった。その傾向は開幕3連戦でも変わらない。
 
 藤田9番起用は、その前を打つ嶋の出塁率(昨年.375)が高いことが挙げられる。出塁した嶋を藤田が2番打者の要領でスコアリングポジションに送り込み、上位が返す。近年の楽天は9番に聖澤や島内など好打者を配し、下位から上位へ流れを作る攻撃パターンを得意としてきた。今回もそういう狙いがあるとされている。
 
 もう1つの狙いも考えられる。バッテリー中心で守り勝つ野球を掲げるデーブボールにおいて、二遊間を中心としたセンターラインの守備力は最重要だ。9番に置くことで藤田の打撃負担を減らし、守備で本領発揮してもらいたい首脳陣の意図もそこには隠されている。
 
 昨年の藤田は攻守で精彩を欠いた。対戦チームに研究をされているとはいえ、OPS.611は2番打者、二塁手として物足りない数字だった。前述した一塁走者を得点圏に送り込む確率は昨年48%まで下落した。守備ではゴールデングラブ賞を2年連続受賞したが、セイバー系守備指標UZRでは一昨年+8.9から昨年0.0まで落ち込んでいる。そこには30歳を越えて初の全試合出場を成し遂げた「反動」も含まれていたのかもしれない。
 
 正二塁手は藤田以外に考えられない。藤田と控え選手の力量に差がありすぎること。投手陣に高い安心感をもたらすことができる唯一の二塁手であること。今シーズンも藤田が担う責任は自然と大きくなる。その中、少しでも負担を減らすことを考えた場合、辿り着いた結論が9番起用だったのではないだろうか。現状その起用法がうれしいことに守備だけでなくバッティングにも好影響をもたらしているのだ。
 
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