ロッテ、育てるべきは打率3割の中村奨吾。最大の課題はレギュラーの固定、野手陣をどう立て直すか
千葉ロッテマリーンズは4月20日からの埼玉西武ライオンズとの3連戦で3連敗を喫した。初戦の守備の乱れによる逆転負けが悪い流れを招いた。昨季からレギュラーの固定が懸案事項だったチームにおいて、野手陣の立て直しが急務となっている。
2018/04/24
ミスを繰り返さないための選手育成
鳥越コーチは、ミスを繰り返した藤岡裕や中村に対して「技術不足」は認めるものの、彼らが敗因だとは決して口にしない。選手を育成していくためには、何が大事なのかが分かっているからだろう。
「奨吾の送球は逸れてはいるけど、ファーストも捕れないボールではなかった。でも、彼らのプレーは決して軽率ではないし、一生懸命アウトを取りに行っての技術不足なので、これを経験にして、僕を含めて成長していけたらと思います。負けたときは『たら、れば』が出てきますけど、その中でしっかり守って勝てるように、練習からしっかりやりたい」
ミスをしたから誰かを追求するだけでは先には進めない。ここからどう立ち直り成長できるかがロッテに大事なことだと言えるだろう。
選手を交代させるのは簡単だが、そうしてロッテはこれまでレギュラーを固定することができなかったのだ。特に、現在3割をキープしている中村は育てなければならない野手なのだ。
「態勢が崩れたわけではなかった。完全に僕の技術不足です。練習からしっかり見直したい」
中村はそう絞り出した。
中村は目の前にある課題を直視せず投げ出してしまう弱さがある。しかし、この日の試合後の彼の言葉や表情で判断する限りは、そんな「弱さ」をみせることはなかった。自分が置かれている立場を理解しているのだろう。
「1打席目のホームランは狙い通りでした。でも、守備ですべてを台無しにしてしまった」
12球団一のショートストップを育てあげた名コーチのもと、井口監督が「30-30を狙える」とポテンシャルを認める中村ら、ロッテの野手陣をどう立て直していくのだろうか。
文・氏原英明