西武・雄星、“完全なエース”として迎えた今季。開幕1カ月を語る「野手に助けられた」
埼玉西武ライオンズの菊池雄星投手は4月28日、本拠地で東北楽天ゴールデンイーグルス戦に先発登板し、今季5勝目を挙げた。開幕投手を務めてからの5戦5勝は球団新記録となった。28日の試合後、本人に開幕から1カ月の自身やチームの状況を直撃した。
2018/05/01
5戦5勝の好スタート
――開幕して1カ月が経過しました5戦5勝と好スタートを切った形になりますが、実際、投球内容はそれほどよくは見えませんでした。この1カ月いかがでしたか。
本当に一言になりますけど、野手に助けられた1カ月だったと思います。
――昨年までの「エース」「開幕投手」という立場は違ったと思います。昨季はエースになることを期待されていて、今季は完全なエースとして迎えました。
そういう意味で言うと、まだまだ期待には応えられていないというのはありますけど、どんな形であれ勝ち星が付くというのは、この時期は非常に大事なことでもあると思います。野手のみなさんに助けてもらいながらですが、いい滑り出しができたかなとは思います。
――オープン戦期間中は首の寝違えがあって、けがをしながらのスタートでした。開幕のころに不安はありましたか。
不安しかなかったです。けがをしていたわけではありませんが、多少、気にしている部分はありました。全快になるのはもう少し先になるのかなと思いますけど、身体の状態、そして投げるボールも100%ではない中で、上手くしのげたっていうのは、去年と一昨年だったらできないことだった。そこはプラスに捉えてはいます。
――100%でなくてもまとめられた。マウンドに立っていて、自分の中で違いはありますか。
ある程度、ゲームプランを描けるというのはあります。例えば、一昨年までだとキャッチボールとピッチングがイコールではなかったんです。つまり、その日の状態がつかめませんでした。去年あたりから「キャッチボール=ピッチング」になってきました。
そのおかげで何となく対処のしようがある。勝ったり、負けたりを繰り返している時というのは、キャッチボールとピッチングがイコールじゃなかったので、思い切り投げてみないと分からなかった。
去年も今年もそれがないので、試合前にある程度、今日の状態はこれくらいだから粘り強くいこう、と。試合前からプランを立てやすくなっています。
――きょうは悪い日だという予測がつくということですか。
そうですね。上手くいかないことを前提で投げられています。だから、100で投げられるのはまだ先だと思っているので、70、80のパフォーマンスでも欲張らずに、それを受け入れられています。その中でいかに6、7回を失点が少なく抑えられるか。今の状態だとそれがベストと思っています。