福田永将、9年目初スタメンで猛打賞 開花した“ロマン砲”がつくるドラゴンズの未来
開幕カード3連敗を喫した中日ドラゴンズ。森野が骨折で離脱した中、チームの危機をこの男が救った。
2015/04/01
ファン待望の“ロマン砲”がさく裂
開幕カード3連敗の中日ドラゴンズが巨人との地元開幕戦を勝利で飾った。
勝利のポイントはいくつもある。
先発・大野雄大はナイスピッチングを見せたし、代打の小笠原道大はマシソンからさすがの勝負強さで決勝点をあげた。
しかし、なんといっても注目したいのは、この日スタメンに起用された福田永将だ。
プロ9年目、長距離砲として期待されながらこれまで通算4本塁打。
しかし、背番号といい、その長打力といい、ドラゴンズファンにとって福田は、いつか才能が爆発することを信じてやまない“ロマン”だった。その福田が、今年は清原和博や中村剛也を育てた名伯楽・土井正博特別コーチの指導によって打撃開眼。オープン戦から北上する桜の開花宣言と同じように調子を上げていき、そのままシーズンに突入した。
悪夢の3連敗となった29日の阪神戦でも見事な代打3ランホームランを放っている。
ドラゴンズファンは、まだ1勝もできていない暗闇の先の一筋の光明を、福田をはじめとする若手選手らの活躍に見出していた。
そして迎えた地元での開幕戦。
森野将彦の骨折によってチャンスを掴んだ福田は、5番ファーストとしてついにスタメンに登場。
見せ場はいきなりやってきた。
第1打席、左腕の杉内の直球をフルスイングすると、打球は優雅な放物線を描いてレフトスタンドへ飛び込む先制ホームラン。
これぞアーティスト、これぞ長距離砲と言わんばかりの一撃を地元ファンにお披露目した。
第3打席でも、難しい外角の変化球をうまくライトへ運んで貴重な追加点となるタイムリー。昨年、対中日戦2勝0敗、防御率2.42の杉内をこれでKOした。
トドメは巨人に追いつかれた8回の第4打席、1死1塁から豪腕マシソンの直球を叩き、レフトフェンス最上部を直撃するツーベース。チャンスを一気に拡大させ、勝ち越しに大きく貢献した。
プロ初めてのスタメンで4打数3安打2打点の猛打賞、左右に打ち分けたヒットがすべて勝利に直結した。