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ブランド化に成功した「栗山印の栗トンキン」。抑え配置転換の妙【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#76】

すでに「山賊打線」という名前が定着したライオンズ相手に2試合連続零封勝利を収めたファイターズ。少しずつではあるが、ファイターズの形が見えてきている。

2018/05/21

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「山賊打線」相手に2試合連続零封

 首位西武を東京ドームに迎えての6、7回戦、ファイターズは何と2試合連続で「ゼロ封」してしまった。5月15日の6回戦はマルティネス→宮西→石川直→トンキンの完封リレー、翌16日の7回戦は上沢直之の完封勝利である。ウヒョーという感じだ。ホントッすか。いやぁ、開幕シリーズで3タテを食らい、敵地メットライフドームでは8対0をあっさりひっくり返されたトラウマを抱えた側からすると、あの「山賊打線」の西武を、あの狭い東京ドームで、2試合連続「ゼロ封」してしまうなんて夢のようだ。
 
 あれから「山賊打線」の呼び名は一般にも広がり、ちょうどこの2連戦のタイミングで『報道ステーション』(テレビ朝日系、15日放送分)が特集が組んだ。「日刊スポーツ」に続いて、報ステまで「山賊打線」を取り上げたとなると、よくわからないがもう本物(?)である。ただ報ステは間が悪いことに打線の調子が下降気味になり、ファイターズに2試合連続「ゼロ封」を喫した時期に「山賊」を取り上げたのだ。往年の太平洋クラブライオンズ(40年前の元祖「山賊打線」)の絵はあるけど、その日のニュース映像に打棒爆発の絵がないのだった。
 
 僕の親しい西武ファンは「靴磨きの少年が株の話したら天井ってことですね」とすっかり自嘲気味だった。ツイートの流れを見ても「何が山賊打線だよ……」「何にも奪えてないですけど」的な醒めたつぶやきが目についた。一方、キツネにつままれた感じなのはシーズン序盤戦、山賊被害に遭ったチームのファンだ。「山賊どこへ行った?」「山賊打線とは幻だったのか?」「東京ドームは都心だから出にくい?」「富坂署(文京区)が取り締まってるのか?」等々、行方をくらました山賊をめぐりSNSで議論百出。
 
 面白いのは西武ファンほど「ずっと続かないのはわかっていた」みたいなネガティブなトーンなのだ。逆に山賊被害チームのファンはまだぜんぜん疑っている。2試合連続「ゼロ封」したファイターズも、次の対戦(25日からのメットライフドーム3連戦)でどうなるかわからない。これまま「山賊」騒動が終息してくれたらいいが、いつ何時再び襲ってくるかわかったもんじゃない。
 
 僕だってこれを「開幕シリーズ3連敗」や「8-0からサヨナラ負け」に対するリベンジ劇として描ければどんなにいいだろうと思う。山賊イズデッド! 富坂署フォーエバー! だけど野球はそんなに簡単ではないし、富坂署もこれにかかりっきりではない(?)。いやまぁ、富坂署のことはいったん忘れよう。この問題とはかかわりがないのだから。

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