プロ野球序盤戦、12球団の戦いぶりは? パは首位快走・西武にも課題あり、楽天は則本の復調に光明【小宮山悟の眼】
開幕からまもなく2カ月を迎えるプロ野球。今回は12球団の序盤の戦いぶりを振り返りたい。まずはパ・リーグだ。
2018/05/23
首位・西武、長打に加え緻密な野球が強さの鍵
首位を走る埼玉西武ライオンズは、いい滑り出しと言える。山川穂高内野手と多和田真三郎投手の3・4月月間MVPダブル受賞からもよくわかる。
4月は打線がとにかく絶好調だった。相手投手の力が少しでも落ちると、余裕をもって得点を重ねていた。好投手に苦労していないわけではないが、得点の仕方を知っている。今季の西武の怖いところは長打力ばかりでなく、細かい野球ができている点だ。本塁打を放つ能力をもつ選手たちが守備・走塁もきっちりこなしている。
“史上最強”とも言われたりするいまの西武だが、まだそこまでとは言えないだろう。90年代の辻発彦、平野謙、秋山幸二、清原和博、デストラーデがいたライオンズは本当に強かった。それぞれの選手が勝つためにどうするべきか熟知しており、完成されたチームだった。
当時はピッチングスタッフが良く、対戦相手がエースを投入しても慌てることはなかった。1、2点取れば勝てるという野球ができていた。しかし、現時点の西武は点を取られながら、さらに多くの点を奪って試合をものにしているため、まだ課題は多い。
5月中旬から調子が落ちてきたが、今までが絶好調すぎたと言うべきだろう。それでも5月22日現在、25勝15敗、勝率.625を維持している。そこまで深刻に考える必要はないだろう。
エース菊池雄星の離脱による影響も多少はあると考えられる。彼が戻ってくれば再びいい流れをもってくる可能性はある。いまの貯金をキープしながら終盤まで持ちこたえられれば、クライマックス・シリーズ進出は手中に収められるはずだ。