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もっと評価されるべき、中畑監督の育成手腕 DeNAベイスターズは今季セリーグのダークホースか?

今年のセリーグはDeNAが面白い存在になりそうだ。DeNAベイスターズ誕生から4年。チームを指揮する中畑清監督は我慢強く若手を起用しながら、着実にチームの底上げを図ってきた。

2015/04/04

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ベースボールチャンネル編集部



地獄の伊東キャンプを知る指揮官こそのメッセージ

 思い出されるのは2013年秋。中畑監督は同年11月に行われる奄美秋季キャンプのメンバーから筒香を外した。当時4年目の筒香は同年のシーズンをわずか出場23試合で終え、成績も打率.216、1本塁打と散々の内容。これに怒りを露にした中畑監督は大勢の担当記者の前で「筒香は(キャンプのメンバーから)外すか。大事に育てられてきて、それが当たり前になっている。『10年に1人の逸材』と周りに言われて、本人にもそういう意識があるんじゃないか。打率2割1分でクリーンアップみたいな顔をして…ふざけるな!」と言い放ち、突き放した。

 だが、これは「三行半」ではなかった。伸び悩む筒香に対する「這い上がってこなければダメだ」という中畑監督流のゲキであり、そしてメッセージだったのである。
 その証拠に中畑監督は筒香のメンバー落ちを公言した後、記者団の前で「オレが巨人にいた時、定岡だって地獄の伊東キャンプから外された。翌年は勝ったんだよ」とも補足していた。指揮官がまだ巨人で現役時代だった1979年秋に静岡・伊東市で行われた過酷な秋季キャンプ――。当時の長嶋茂雄監督によって、この伊東キャンプのメンバーから外された定岡正二氏(現評論家)は猛奮起し、翌シーズンから才能を開花させ、以降は着実に勝ち星を積み重ねていく存在になった。

 同じように筒香も発奮してほしいと、あえてムチを振るった指揮官の狙いは果たして的中。昨シーズンの筒香は途中から4番に座り、故障離脱がありながらも規定打席に到達して自身初となる打率.300、22本塁打、77打点の好成績を残した。

 中畑監督流のゲキが筒香を目覚めさせ、その才能を開花させた。

 DeNAには中畑監督が育成し、今後無限の成長を期待させる若手選手が他にも大勢いる。たとえば昨季盗塁王の梶谷隆幸は今季開幕から3番打者としてクリーンアップを任され、さらなる大ブレイクの予感が漂う。そして今季開幕4戦目からリードオフマンに抜擢されている19歳の関根大気、正遊撃手のポジションが今後も確保されそうなドラフト3位ルーキーの倉本寿彦もチームの明日を担う〝中畑チルドレン〟たちだ。

 どうしても中畑監督は本人の面白い発言ばかりがメディアによってクローズアップされがちで「愉快な人」というイメージばかりがまとわりついているが、チーム内での人物像は違う。
 選手育成に心血を注ぐ熱血指揮官なのである。
 そんな闘将・中畑監督の熱き指導が実を結び、多くの若手が成長しつつあるDeNAは今季セリーグのダークホースとなるかもしれない。

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