西川遥輝の先発外し、斎藤佑樹降板の決断……競争原理重視で勝利へ導く、栗山采配
25.3歳という12球団一の若さで開幕戦を迎えたチームは2カード連続の勝ち越しを決めた。若い選手の力を引き出しているのは、栗山監督の起用法だ。千葉ロッテ戦での3連戦はそれが明確に示された。チーム内で競争原理が機能している。
2015/04/04
いいスタートが切れたのは、若い野手が期待以上に活躍
1シーズンに一度あるかどうか。4月2日の千葉ロッテ戦は、そんなゲームだった。
ファイターズは4回表までに大量8点を奪い、三塁側内野席にいた私は強い春の陽射しの中で大船に乗った気分になっていた。
ところが、先発の斎藤が突如として崩れる。4回に3失点、5回にもピンチを招き、降板を余儀なくされた。そして6回には5点を奪われ、ついに8点の「貯金」が底をついた。
「これは負けだ」ファイターズファンからすれば敗北を覚悟する展開だったが、最終的に12-9と勝った。ゲームは最後まで壊れたままで、抑えの増井も満塁のピンチから目を疑うようなボークで失点する。ともあれ12球団一の若さで開幕戦を迎えたチームは、2カード連続の勝ち越しを決めた。
ファイターズがいいスタートを切ることができたのは、谷口、近藤、岡、中島といった若い野手が期待以上の活躍を見せているからだ。それは、このチームの生命線である競争の原理が十分に機能していることの証といっていい。
両軍合計34安打が飛び出した千葉ロッテ戦でも、若手が勝利を呼び込んだ。谷口が3安打3打点2盗塁とリードオフマンの役目を果たし、前日にプロ第1号を放った岡が決勝打となるツーベースを放った。