セ・リーグ“魔の交流戦”に突入、序盤の戦いぶりは? DeNA・阪神・巨人の三つ巴の面白さ、松坂効果で士気上がる中日【小宮山悟の眼】
開幕から2カ月が過ぎ、交流戦が始まったプロ野球。今回はセ・リーグ6球団の序盤の戦いぶりを振り返る。
2018/05/30
一歩リードの広島も昨年ほどの勢いはまだなし
セ・リーグは今季も広島東洋カープが一歩リードしている展開だ。戦力のバランスがとれているため驚くことではないが、昨年ほどの勢いがまだ出てきていないというのが序盤戦の印象だ。
広島ナインが先を見据えているというわけではないと思うが、「いまが頑張りどきじゃない」というような読みをしているのかもしれない。それが昨年終盤の強さから考えると、のんびりやっているように見えるのだろう。
5月25日からの3連戦で4位に転落した読売ジャイアンツは、開幕前に2位になる可能性もあると予想した。しかし、シーズンに入ってからの戦いぶりを見ると、予感していたほどの力強さはまだ感じない。昨季の同時期に比べるといい戦いができているが、終わってみたら勝っていたという試合が多い。
強いときの巨人は、序盤から得点して試合を優位に進め、中押し、ダメ押しと相手を圧倒していく。投手がしっかり押さえ、完璧な試合運びをするチームだ。そいう試合が増えれば印象も違ってくるのだろう。
巨人と争いながら順位を上下している横浜DeNAベイスターズと阪神タイガース。両チーム想定外の事態が発生していて、物足りなく感じている。
DeNAは投手力が予想より下回り、阪神は打撃が機能していない。DeNAは打撃力がある分、何とか勝利を拾えているが、頭一つ抜けるほどの強さはみせられていない。この3チームはオールスターブレイクまで勝率5割キープを目指していくことになる。終盤戦にいかに勝負手を打っていくかが鍵になる。
セ・リーグは全体的に元気がないように思えるが、各チームの力が拮抗しているからこそ。面白いペナントを展開しているということでもある。