阪神・鳥谷敬、連続出場記録ストップでの懸念は? パフォーマンス低下の要因は体力的な問題ではない【小宮山悟の眼】
阪神タイガースの鳥谷敬内野手の連続試合出場記録が1939でストップした。鳥谷がプロ1年目から築いてきた数字に終止符が打たれた。この重みのある数字が持つ意味を考えたい。
2018/06/03
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連続出場記録は歴代監督が支えた数字
阪神タイガースの鳥谷敬内野手が5月29日、交流戦初戦を欠場し、日本歴代2位の連続試合出場記録が1939で途絶えた。
この日の試合は1点を争う好ゲーム。記録が途切れるとしたら、接戦という展開は想定できたが、鳥谷のコンディションには問題なかっただけに何とかならなかったのかと悔やまれる。
記録のために出場させるという考え方だと、鳥谷のために野球をやっているわけではないという論調になるが、連続試合出場は本当に重みのある記録だ。プロ1年目の2004年から15年がかりで積み上げてきたものだけに試合展開という理由で途絶えてしまったのは残念でならない。
連続試合出場記録は、これまでの監督が支えてきた記録でもある。岡田彰布さんに始まって、真弓明信監督、和田豊監督と、鳥谷のためだけではないが、生え抜きの選手を起用して繋いできた数字であるということを忘れてほしくなかった。
鳥谷本人は「起用してくれたこれまでの監督の皆さんに感謝します」という殊勝なコメントを残していた。記録は途絶えたが、衣笠祥雄さんに次ぐ誇るべき数字だ。本人の心中は計り知れないが、落ち着いたころに「ご苦労さん」と伝えたい。
ただ、記録のストップで危惧されるのが鳥谷の今後のモチベーションだ。私は、鳥谷にとって連続試合出場記録を伸ばし続けることがモチベーションを保つ命綱だと思っていた。