「目指すは夏場の一軍昇格」香月一也、1本の特別なバットとともに再出発へ【マリーンズ浦和ファーム通信#45】
開幕前に左手の怪我に見舞われた香月一也が、予想以上に早い実戦復帰を果たした。野球を出来る幸せを噛みしめ、夏場の一軍昇格に向けて再スタートを切った。
2018/06/11
開幕前、まさかのアクシデント
久々の実戦に心なしか表情はこわばっていた。香月一也内野手が左手の怪我を乗り越え6月8日、イースタンリーグ・楽天戦(ロッテ浦和)で実戦復帰を果たした。5番セカンドで4打数無安打。それでも試合後は久しぶりに野球をやれた幸せを全身で感じているようだった。
「1打席目はめちゃくちゃ緊張しました。打席に立てて、守ることが出来て本当によかったです。嬉しかったです。手術は初めて。こんなに長い事、野球をやれなかったことは初めてだった。野球が普通にできる幸せを感じました」
アクシデントが起きたのは開幕前の3月14日の事だった。法政大学との練習試合で二塁に足からスライディングした際に地面についた左手が引っかかるように思わぬ方向に捻じれた。激痛が全身に走ったがこれまで大きな怪我に見舞われたことがなかっただけに、重くは受け止めていなかった。しかし診断結果は左手母指の尺側側副靭帯損傷。医師からは実戦復帰は早くて7月中旬。普通に考えれば8月と通告をされた。重症だった。想いもよらぬ診断結果に頭が真っ白になった。
一昨年に一軍デビューをしてプロ初安打をマーク。そして昨年は一軍で19試合に出場し初打点を記録するなど8安打2打点と少しずつ順調に階段を上っていた。監督が代わった新生マリーンズの船出となった今年は大きなチャンスと捉えた。だからキャンプから必死にアピールを繰り返し、なんとか一軍の枠に入り込もうとガムシャラな日々を送っていた。その矢先のアクシデント。必死にプレーした結果だから悔いはない。しかし野手の中で自分だけが別メニューで野球が出来ない日々はあまりにも辛かった。