交流戦勝率1位ヤクルト、小川監督の“マネジメント改革”が奏功 投手陣整備で「犠打いらず」の攻撃的パターン導く
プロ野球セ・パ交流戦で東京ヤクルトスワローズが球団史上初の勝率1位を決めた。セントラル・リーグでは交流戦前まで最下位に沈んでいたチームが、交流戦でここまで躍進した要因はどこにあるのだろうか。
2018/06/18
「現有戦力優先」で中尾、近藤、石山の必勝パターン確立
そうした戦いの変化をすると同時に、投手陣も次第に整備していった。先発ローテーションを洗い直し、ブルペン陣も配置を少しずつ変えていった。
セットアッパーだった石山泰稚投手をクローザーに完全に固定すると、ビハインド時の登板が多かった左腕の中尾輝投手、近藤一樹投手の2人を、7、8回に据えた。
交流戦ではこの方程式がきれいに決まった。中尾は防御率こそ低くはないものの、6ホールドを挙げ、近藤は8試合投げて7ホールドで無失点。石山は10試合に投げて7セーブ無失点の大活躍だった。
シーズンの序盤に出遅れると、外国人を補強するなどをしてチームを劇的に変えようとするチームは多い。確かにそれも1つの手だが、緊急補強が上手くいくかどうかは紙一重だ。それよりも、現有戦力を見極めながら、手を変え、品を変えて勝利に導くことも指揮官には必要な力量と言える。
送りバントに躍起になっていた戦いから使い方を変えた。そして、得点力を挙げていく一方で、投手陣を整備し、大勝も接戦もモノにできるようになった。指揮官のマネジメント力が大きくチームを変えた末の、交流戦勝率1位という結果だったというわけだ。
ヤクルトは1試合残っている交流戦を戦ったあと、ペナントレースへと戻る。交流戦の流れをこのまま生かすことができるか、これからの戦いぶりにも注目したい。