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ロッテの“安打製造機”角中、交流戦は最近7年で5度打率3割超え。リーグ制覇へ逆襲の舵取る

2018/06/19

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今季交流戦は打率.391。例年活躍に比例してチーム順位も上位に

 セ・パ交流戦は、東京ヤクルトスワローズが球団初の勝率1位を決めた。例年パシフィック・リーグに苦戦を強いられてきたセントラル・リーグだが、今季は2014年の読売ジャイアンツ以来4年ぶりにセ・リーグのチームが制する結果となった。
 
 個人の打撃成績を見てみると、18日現在、打率上位10人の中にセ・リーグの選手が4人。ヤクルトの選手は存在しない。横浜DeNAベイスターズの宮崎敏郎内野手が.393で1位に座る他、同じくDeNAの筒香嘉智外野手が.386で4位、広島東洋カープの松山竜平外野手が.373で8位、中日ドラゴンズの平田良介外野手が.362で9位につけている。
 
 全体的にパ・リーグの選手が上位を多く占める形となっており、今回はその中でも18日終了時点で打率.391で3位につける千葉ロッテマリーンズの角中勝也外野手に注目したい。
 
 角中の交流戦での打撃は抜群の安定感を誇る。2011年の夏に外野手として1軍に定着すると、翌2012年の交流戦では24試合に出場し初めて規定打席に到達。86打数30安打でいきなり打率.349をマークして首位打者となった。
 
 2013年は規定打席には満たなかったが、2014年は打率.338(8位)、2015年は.427(3位)、2016年は.338(12位タイ)、2017年は.262(39位)、2018年は.391(3位)と最近7年間で5度も打率3割以上という驚異的な数字を残している。
 
 そして、その間チームは2012年は3位(12勝7敗5分)、2013年は5位(13勝10敗1分)、2014年は6位(12勝12敗)、2015年は5位(10勝8敗)、2016年は2位(12勝6敗)、2017年は11位(6勝12敗)、2018年はここまで4位(10勝7敗)と、角中が打率3割を下回った2013年以外の年は全て上位6位以内にランクインしている。
 
 主に上位から中軸打線を担う角中の活躍に比例して順位がこの位置にあるということで、いかに角中の働きがチームにもたらす影響力が大きいのかが見て取れる。

今年31歳。開幕絶望の大ケガから復帰し即結果残す

 今季は、3月20日の埼玉西武ライオンズとのオープン戦(メットライフドーム)で、飛球を追った際にフェンスに激突し第12胸椎圧迫骨折。開幕絶望となったが、5月11日に1軍復帰。復帰2戦目で初安打をマークした後、4戦連続安打を記録し本領を発揮した。
 
 5月29日から開幕した交流戦では、ヤクルト戦(神宮球場)1回戦から2戦連続安打とすると、6月1日の広島戦(ZOZOマリンスタジアム)から10試合連続安打。この間は38打数19安打で打率500だった。
 
 また、今交流戦を通じて打率だけでなく、二塁打3本、三塁打1本、本塁打1本で長打率(1打数あたりの塁打数の期待値:最高値は全打席で本塁打を放った場合の4.0)は.516をマーク。7四球、1死球も記録した上で出塁率も.458となっており、長打率と出塁率を足した「打者の総合的な攻撃力の指標」とされる数値OPSは.974という高水準に達した。
 
 独立リーグ出身者初の首位打者に輝き(2012年)、侍ジャパンにも選出された角中は今年で31歳。今季通算ではまだ規定打席に到達していないが、打率.325をマークしチーム欠かせない存在になっている。リーグ順位は5位ながら、勝率5割で首位とのゲーム差は5.5と挽回のチャンスは大いにあるだろう。
 
 交流戦を経てまた一歩進化した“安打製造機”背番号3が、13年ぶりのリーグ制覇へ向けここからチームを上位に押し上げる。



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