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巨人・上原浩治、物足りなさは“突貫工事”の影響。いま一度の鍛え直しが必要【小宮山悟の眼】

2018/06/27

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実力から考えると物足りない数字。不調の要因は手順の違い

 今季、10年ぶりに日本球界に復帰した読売ジャイアンツの上原浩治投手。オールスターの中継ぎ投手部門でファン投票1位を獲得し、いまだ根強い人気を誇っている。しかし、25日時点で、16試合を投げて0勝3敗6ホールド、防御率5.40。上原の実力から考えると、物足りない数字が並んでいる。
 
 不調の原因として一番に考えられるのは、開幕をこれまでとは異なるスケジュールで迎えてしまったことだろう。本人はメジャーリーグで野球を続けるつもりだったが、契約不成立で断念。それでも現役続行を希望し、帰国した。自主トレから春季キャンプやオープン戦という手順を踏んでこなかったことが影響しているのではないか。
 
 開幕までの調整が“突貫工事”だったということに問題がある。
 
 1日でも早くチームに合流することを優先し、本来しっかりやるべき練習がおろそかになった。自主トレで体をつくり、試行錯誤しながら開幕を迎えるべきだが、次から次へと急いで調整しなければならない状況に追い込まれていた。
 
 当然、年齢も抗えない要素ではある。だからこそ、気持ちでカバーしようという姿勢も見える。ただ、しっかりと身体をイジメ、鍛え上げてくることができず、焦りが生まれているのではないか。
 
 年を取ると、誰でも衰えを感じる。その部分を練習で追い込みながらつくり上げていく。気持ちともに上昇させていくのだ。そこから、実戦を通じて、ある程度しっかりしたボールが投げられるという感覚をつかむ。この過程を経て、「今季も大丈夫だ」と言い聞かせることができる。
 
 しかし、それができなかった場合、「大丈夫」という確証ではなく「大丈夫か?」と疑惑が生まれてしまうのだ。メジャーは日本ほど、追い込んだ練習をするわけではないが、その分、時間をかけて身体を作り上げる。今季、上原にはその時間がなかった。
 
 不思議に思うかもしれないが、同じ練習をするにしても、ユニホームを着るか着ないかで感覚が大きく異なる。理由は解明されていないが、驚くほど疲れ方が違う。ユニホームに袖を通すことで、気持ちの入り方が変化するのだろう。

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