打率2割でも西川遥輝は日本ハム好スタートの「陰のMVP」 「1番打者」から見える各球団のオフェンスの現状【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、NPB「1番打者」についてだ。開幕から4カードに出場した12球団の「1番打者」の結果をまとめてみた。
2015/04/10
続いてセリーグだ
次にセリーグだ。
好調のDeNAが1位。石川、関根、桑原が1番を務めたが、ここ3試合、石川が14打数9安打と絶好調。阪神戦3タテの原動力になっている。生還率も.412。
2位は阪神だ。鳥谷を1番に固定している。この「大型1番」が成功している。長打は衰えているが、堅実な打撃に加え、リーグ屈指の選球眼で21回も出塁した。出塁率はセリーグトップ。しかしながら中軸のバットが湿っているために、生還率はリーグ最低の.190となっている。
3位の中日は大島を1番に固定。出塁すれば、中軸打線がしっかりと大島を本塁に帰していることが、打撃成績と生還率の関係からもわかる。
4位はヤクルト。山田哲人が開幕から5試合務め、その後荒木、川端と変遷している。ヤクルトは開幕戦こそ山田が中前打で出塁して以来、1回の先頭打者の出塁がない。12打数1安打となっている。それでも生還率は.500とリーグ1位。試合途中で、1番が出塁した際には、好調の中軸がホームに生還させている。
5位は巨人。開幕では坂本が1番を打っていた。ここ3試合松本哲、松本哲、金城。しかし3人で11打数2安打2四球。リードオフマンを交替した効果は出ていない。生還率は高い。
6位は広島だ。すでに鈴木誠、野間、菊池、丸、安部と5人もの1番打者を起用しており、打線の組み合わせに苦慮している。出塁率も低く、生還率も良くない。打線全体が低迷していたことがわかる。最近ようやく復調気味だが、やはり1番打者は固定したいところだ。