打率2割でも西川遥輝は日本ハム好スタートの「陰のMVP」 「1番打者」から見える各球団のオフェンスの現状【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、NPB「1番打者」についてだ。開幕から4カードに出場した12球団の「1番打者」の結果をまとめてみた。
2015/04/10
西川の選球眼が日ハム好調の鍵を握る
さて、開幕2週間で、12球団合わせて31人もの「1番打者」が生まれた。その中で、最も貢献度が高いのは、日本ハムの西川遥輝だろう。
成績は、10日時点で25打数5安打0本塁打1打点の.200。個人打撃成績の33位だ。
「どこが凄い成績なんだ」と言われそうだが、何と四死球が12個もある。出塁率はリーグ4位の.459。四球数11は断トツの1位だ。
日本ハムの1番打者の成績をイニング別に見てみよう。
開幕から3試合、西川は四球こそ3つ選ぶものの安打は二塁打1本のみ。栗山監督は不調の西川をスタメンから外し、続く3試合には谷口、岡を起用した。4月2日に再び西川を1番に起用。ここからが凄い。以後の5試合で西川は13回も出塁。
このうち安打は4本に過ぎず、安打も四死球も出塁に変わりはない。それでも1番に復帰してから日本ハムは無敗だ。
4月5日には5打席全部出塁。4月7日も5打席で4度出塁。復帰後の出塁率は.542にものぼる。
これだけリードオフマンが塁に出れば、勝機は広がる。そして、中田が打ち始めるとより脅威になる。
西川は昨年盗塁王を獲得した。その俊足に注目が集まりがちだが、昨年はリーグ9位の63四球を選んでいる。今年はその選球眼にさらに磨きがかかった。
今年の西川がどんな成績を残すか。このような出塁率、四球数や生還率なども見てみると、また違った野球の楽しみ方ができるのではないだろうか。
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