楽天、監督交代は選手発奮への“劇薬”。最年少指揮官に期待する変革の可能性【小宮山悟の眼】
東北楽天ゴールデンイーグルスの梨田昌孝監督が辞任を発表した。新たに指揮を任されたのは平石洋介ヘッドコーチ兼打撃コーチ。チームがパシフィック・リーグ最下位に沈む現状の中、平石氏の監督代行就任はどんな効果をもたらすのだろうか。
2018/07/02
変革をもたらすのは1人の野心家
低迷する雰囲気のチームが変革を迎えるとき、たった1人の野心家の登場によって大幅に変わることはある。今回のケースとは異なるが、私もボビー・バレンタイン監督によってその瞬間を経験した。だからこそ、楽天の変革に楽しみなところもある。
懸案は、平石が自分の色を出せるかどうかだ。
関係者の話を聞くと、平石の人間性は間違いない人物だという。PL学園や同志社大で鍛えられたということもあり、球団はそういう人物を添えて起死回生を狙っているのかもしれない。
ただ梨田さんの監督時代と変わらない雰囲気だと、交代の意味がなくなってしまう。いかに平石らしいチームをつくれる環境にしてあげられるか。
シーズン中の監督交代には様々な意見があると思うが、私は選手たちにとっての発奮材料になると考えている。お世話になった権藤博さんは「基本的に頑張るのは選手だ。勝った負けたの責任は監督が取るけど、負けて悔しい想いをして恥をかくのは選手だ」とよく言っていた。
つまり、選手が自分たちで何とかしようという気持ちにならないとチームは変わらないということだ。監督が途中で変わるというのは“大ごと”だ。選手は、そういう結果になった責任を感じなければならない。現状をどうにかしようという意識が持てなければ、選手たちの野球への想いというのはその程度だということだ。