プロ野球「誤審問題」は驚きより呆れ。MLBの判定システム導入が理想【小宮山悟の眼】
プロ野球の審判の判定を巡って、日本野球機構(NPB)が「誤審」を認める事態が続いた。オリックス・バファローズは誤審が発生した試合やり直しを求めたが、NPBは「続行試合を認めない」方針を示し、さらなる波紋が広がっている。
2018/07/05
正しい判定のためのリプレー検証、露呈した誤審発生の可能性
プロ野球のペナントレースで残念なことが起きてしまった。
6月22日の福岡ソフトバンクホークス-オリックス・バファローズ戦において、ソフトバンク・中村晃のファウルと判定された右翼ポール際の打球がリプレー検証で本塁打とされた。試合後の再検証で審判団がファウルで「誤審」を認める事態となった。
打った中村でさえもファウルに見えた打球で、なぜ誤審が起きたのか。ビデオ判定は正しい判定をするためのツールであるはず。それにもかかわらずミスが起きるというのは信じられない。驚きよりも呆れたというのが一番の印象だ。
そもそもリクエストによるリプレー検証を要求したソフトバンクの工藤公康監督は、ジャッジが覆るとまでは思っていなかったのではないか。試合を間延びさせることによって、相手投手にプレッシャーを掛けたいという考えだったと思う。
審判団は、「コマ送りの仕方や映像の止め方を間違ったため、判定も間違った」と説明しているようだが、検証する人間が機械の扱いに不慣れであったら、誤審も起こる可能性があるということを証明してしまった。
誤審の被害者となったオリックスは、日本野球機構(NPB)に当該プレーからの試合続行を要望。しかし、NPBはやり直しは行わないという判断を下した。
オリックス側の主張が分からないでもないが、運営上のルールに明記されているので、再試合は現実的に厳しいだろう。