プロ野球「誤審問題」は驚きより呆れ。MLBの判定システム導入が理想【小宮山悟の眼】
プロ野球の審判の判定を巡って、日本野球機構(NPB)が「誤審」を認める事態が続いた。オリックス・バファローズは誤審が発生した試合やり直しを求めたが、NPBは「続行試合を認めない」方針を示し、さらなる波紋が広がっている。
2018/07/05
理想はメジャーリーグのようなシステム構築
理想はメジャーリーグのようなシステムを構築することだろう。ビデオ専門の判定員を置き、NPBがすべてのビデオ判定をつかさどることを前提として、全球場に同じ機器を備え付ける方向に動いてもらいたい。
カメラの設置台数の統一など、設備を整えるには莫大な費用がかかる。1試合の審判を4人に削減してきた日本球界がそこに投資するとは考えにくいが、ビデオ判定によるリプレー検証をやるなら徹底的にやった方がいいと思う。
選手の真剣なプレーは、正しくジャッジされるべきだ。ワールドカップにしてもビデオ判定補助システム「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)」によって覆った判定は少なくない。
人間の目視が絶対的なメイン、ビデオ判定をサブにするとしても、正しく判断できる設備を整えるべきだ。スポーツ界全体の流れとして、ビデオ判定はいい取り組みだと証明されているのだから。
小宮山悟(こみやま・さとる)
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。
氏原英明