オリックス・増井、“レア”記録にみる脅威。激戦パで勝敗の鍵握る存在【小宮山悟の眼】
プロ野球はオールスターゲームが終わり、後半戦に突入する。今季前半戦には、福岡ソフトバンクホークスの内川聖一内野手の2000安打、横浜DeNAベイスターズの山崎康晃投手の100セーブなどいくつもの記録が生まれた。今回は、オリックス・バファローズの増井浩俊投手の“レア”な記録を振り返る。
2018/07/15
交流戦、活発な移籍によって生まれた記録
オリックス・バファローズの増井浩俊投手が全12球団からセーブ挙げるという快挙を成し遂げた。交流戦がなく、移籍が活発ではなかった昔では達成できないレアな記録だ。いまの時代だからこそ果たすことが出きた記録を称えたいと思う。
増井は北海道日本ハムファイターズのころからブルペンの中心として活躍してきた。私の印象ではセットアッパーを担っていた時がもっとも手ごわく、打てそうな気配がしなかった。8回くらいにマウンドに立ったと思えば、顔色一つ変えずにピシャリと抑えてバトンを渡す。試合を締める流れをつくっていたのはいつも増井だった。
ストレートが速く、フォークボールの切れ味も秀逸。最近ではスプリットの使い手が多くいるが、増井はフォークボールの中のフォークボールを投げるタイプだ。
小さな変化ではなく、横から見ても落ちているのが分かる切れのあるフォークを持っている。さらに投球のリリースは真上から投げ下ろすため、ストレートもフォークも判別がつかない。1イニング限定の登板なら、そう簡単には打ち崩せそうな気がしなかった。フォークのキレでは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスで活躍している平野佳寿を凌駕していると思う。
日本ハム時代、先発投手としてシーズン6勝を挙げたときもあった。しかし、1イニング限定で投げる方が脅威を感じる選手だと思う。週1度、5~6回100球の登板をするより、週3~4度、1回登板する方ガチームにプラスをもたらすことができる。