オリックス・増井、“レア”記録にみる脅威。激戦パで勝敗の鍵握る存在【小宮山悟の眼】
プロ野球はオールスターゲームが終わり、後半戦に突入する。今季前半戦には、福岡ソフトバンクホークスの内川聖一内野手の2000安打、横浜DeNAベイスターズの山崎康晃投手の100セーブなどいくつもの記録が生まれた。今回は、オリックス・バファローズの増井浩俊投手の“レア”な記録を振り返る。
2018/07/15
平野の穴埋め、プレッシャーに打ち勝った増井
先発かブルペンか――。適性を判断するのは難しいところがある。
アマチュア時代の実績では、長いイニングを投げられる投手の方が重宝される。プロ入り前から1イニングしか投げないタイプを入団させることはなかなか難しい。長いイニングを投げられることが前提にあり、ショートイニングも対応できるというタイプがいても、1イニング限定で投げていたタイプは評価されない。
増井は入団当初、先発も務めていたからどちらの能力もある。しかし、ショートイニングでの評価が高かったということだろう。
今季オリックスに加入した増井には、メジャー移籍した平野の穴埋めが求められている。決して簡単な役割ではなく、そんな新たな環境の中で達成した偉業は評価されるべきだろう。
日本のフリーエージェント(FA)制度による移籍は、「活躍しなければならない」という十字架を背負う。増井はそのプレッシャーに勝っているからたいしたものだと思う。
今季のパ・リーグはまれにみる激戦。増井がオリックスの今後の勝敗の鍵を握る存在であることは間違いない。
小宮山悟(こみやま・さとる)
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。
氏原英明