大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



Home » プロ野球最新情報 » 千葉ロッテ » “切り札”では終わらない! 来日デスパイネを脅かすベテラン福浦の存在感【ほぼ週刊マリーンズ#1】

“切り札”では終わらない! 来日デスパイネを脅かすベテラン福浦の存在感【ほぼ週刊マリーンズ#1】

勝率5割で迎えた4月9日の対バファローズ3回戦。手痛いサヨナラ負けで3連戦のアタマを落として、ズルズル行きそうだった悪い流れを断ちきったのは、この日が今季初スタメンだった福浦和也が放った2発の豪快ホームラン! 惜敗した11日のライオンズ戦でも、スタメンで先制タイムリーを放つなど、“切り札”に甘んじてきた大ベテランの活躍が、沈滞気味だったチームに喝を入れる!! 

2015/04/11

text By



“切り札”では決して味わえない 1試合2ホームランの興奮!!

 今日負けたら、また借金生活に逆戻りか──。

 離脱のヘルマンに代わってこの日1軍に合流した相手助っ人・カラバイヨの2点タイムリーで、1対3と勝ち越しを許した7回表のラッキーセブン。2年目のドラ2・東明大貴を打ちあぐねて、いいところのなかったマリーンズ打線にため息をつきながら、そんなことを考え始めていた矢先に、その一発は飛びだした。

 日本一美しいといっても過言ではない、あのフォロースルーから放たれた打球は、ライトポールを直撃する値千金の同点2ランホームラン。今季初打席だった2回表に、実に4年ぶりとなる第1号で幸先よく先制点を叩きだしていた“千葉の誇り”福浦和也の、これまた5年ぶりとなる1試合2ホームランで、試合は一気に振り出しへと戻ることになったのだ。

 結局、同点のまま最終回を迎えた試合は、東明のあとを受けた佐藤達也の暴投に乗じて踏んだ勝ち越しのホームが決勝点となってマリーンズが逃げきった。あの1発がなかったらそのまま東明に完投を許してしまいそうな雲行きだっただけに、まさに“福浦サマサマ”。

 打線の奮起で8点差を追いついても、中継ぎ陣が踏んばれなかったり、石川歩がせっかく好投しても、打線にあと1本が出なかったり……と、投打ともにどこかチグハグな噛みあわない戦いぶりが続いていたチームにとっても、大きな1勝になったと言えるだろう。

 この2本のホームランで、節目の2000本安打までは、あと133本。マリーンズの生え抜きでは、オリオンズ時代の1985年に有藤道世が成し遂げて以来、30年もの長きにわたって達成されていない快挙だけに、「何とか実現してほしい」というのがファンの総意でもあるはずだ。

 代打にしておくのは、もったいない──。そのことを自らのバットで証明してみせた福浦の躍動は、“切り札”では決して味わうことのできない興奮を僕らにもたらしてくれると同時に、いよいよ合流する主砲・デスパイネをも脅かすほどの活気をチームに与えてくれるに違いない。

1 2


error: Content is protected !!