炭谷銀仁朗の意志を感じた配球 郭俊麟に要求した1球のチェンジアップ【中島大輔 One~この1打席をクローズアップ】
西武に入団したルーキー、郭俊麟は2連勝で迎えた3戦目のロッテ戦で敗戦投手となった。ロッテ打線につかまりながらも、女房役の炭谷が郭に要求した1球を今回はクローズアップしたい。
2015/04/13
ベースボールチャンネル編集部
対戦がふた回り目になって、どうなるか
台湾の大学を卒業して西武に入団したルーキー、郭俊麟が投げた2試合を見て、不思議に感じることがあった。
球種は140km代前半から中盤のストレート、チェンジアップ、シュート、スライダー、カーブと豊富だが、特段目を見張るほどのボールはない。コントロールも適度に散っているという部類だ。
それでも来日初登板となった3月29日のオリックス戦で初白星を挙げると、4月5日のソフトバンク戦では8回無失点で2勝目。
なぜ、郭俊麟は勝つことができているのだろうか――。
4月12日のロッテ戦の前、捕手の炭谷銀仁朗にその理由を聞きに行くと、思わぬ答えが返ってきた。
「まだ、ふたつですからね。シーズンは長いし、向こうは初対戦。そのなかでうまいこと真っすぐ、変化球を投げてくれています。(郭)俊麟との対戦がふた回り目になって、どうなるか。楽天とのオープン戦で何度か投げて、最後はとらえられていますから。ふた回り目に対策を練ってきたとき、どういうことをできるかが大事です」
西武は12日のロッテ戦を終えて、12試合を消化。残りのシーズンは131試合もある。正捕手の炭谷は、新人投手について長い目で見ていた。
「俊麟を組み立てるプランはあるけど、いろいろゲームで出てきます。話し合って、納得して投げてもらわないといけない。シーズンは長いので、その場を抑えるだけではありません。全部抑えにかかるのではなく、余裕のある展開になったら餌まきとかも必要になる。(郭)俊麟は台湾のプロでやっていないので、長いシーズンを戦ったことがないだろうし。シーズン中に疲れが出てきたときに、どう切り替えるか」