緒方監督も「ひとめ惚れ」 努力で磨いた才能・広島の野間峻祥が歩む未来
昨年のドラフト1位ルーキー・野間は開幕一軍をつかみ、丸や天谷らと激しい外野ポジション争いを繰り広げている。走・攻・守の三拍子揃った類稀な才能は、天性のものだけではなかった。
2015/04/14
天性をはるかに上回る猛烈な努力
4月8日、マツダスタジアムで行われた巨人戦。1回表、2死1塁で亀井の打球はライト前に抜けた。1塁ランナーの阿部は2塁ベースを蹴った。誰もが、ランナー1、3塁のピンチを覚悟したとき、見事なノーバウンド送球が返ってきた。もちろん、ランナーはタッチアウト。
遠慮気味の笑顔でビッグプレーを喜んだのは、まだプロ8試合目のスタメン出場のルーキー・野間峻祥である。
大学球界でもトップクラスの脚力と強肩に、担当スカウトが「菊池涼介を外野手にしたみたいな選手です」と興奮気味に語っていたことを思い出す。
走・攻・守の三拍子が揃い、緒方孝市監督も「ひとめ惚れ」とドラフト会議でも話題になった男である。
そのプレーは「天性」を感じさせるが、実は、背景には「猛烈な努力」もあった。信じがたい話だが、村野工業高時代の野間は、「飛び抜けて俊足という選手ではなかった」(本人)という。
中部学院大学の原克隆監督も「確かに目立つような俊足ではありませんでした。しかし、練習では絶対手を抜くことがなく、ランニングも常に全力でやっていました」と証言する。
肩の強さに「天性」はあっただろうが、大学時代の地道な取り組みもプラスであった。
「チューブを使ったインナーマッスルのトレーニングを続けるうちに、肩は強くなっていきました」