緒方監督も「ひとめ惚れ」 努力で磨いた才能・広島の野間峻祥が歩む未来
昨年のドラフト1位ルーキー・野間は開幕一軍をつかみ、丸や天谷らと激しい外野ポジション争いを繰り広げている。走・攻・守の三拍子揃った類稀な才能は、天性のものだけではなかった。
2015/04/14
いずれはトリプルスリーを狙える選手に
線の細さという課題もあった。大学入学当初75キロだった体重を4年間で5キロ以上増やすことにも成功した。大学の寮では、ラーメンの丼で3杯の米飯を食べる姿をチームメイトは見ていた。
また、大学球界屈指の打力も「努力」で培ってきた。「子どもの頃から、基本はショートの頭の上に打てと言われてきました」という広角打法をベースに、足が速くなったことで内野安打も増えた。しかも、バットを振り切ることができる「強さ」も兼ね備えていた。
中部学院大学では、徹底的にバットを振り込んだ。打撃練習の日には1日1000本バットを振った。さらに、キャンプ前の授業のない時期には、1日2000本を振り込むことでスイング力を養ってきた。
プロ1年目の日南キャンプから、野間は、その打力を存分にアピールした。2月21日のジャイアンツとのオープン戦初戦では、いきなりホームランも放った。第一目標とした「開幕一軍」は確定したかに見えた。
しかし、プロの世界は厳しかった。投手の球のキレや変化に「次第にバットが振れなくなっていった」と本人は振り返る。
22打数3安打、打率.136、オープン戦で苦しむルーキーを救ったのは、緒方監督の言葉だった。
「若さで思い切ってどんどんやっていけ。失敗を恐れずプレーしよう」
持ち味のダイナミックなスイングを取り戻した野間は開幕一軍入りも果たし、プロ初ヒット、初打点、初盗塁と着実に段階を踏んでいる。
入団会見で彼は語っていた。「いずれはトリプルスリーを狙える選手になりたい」
もちろん天賦の身体能力ではあろう。しかし、このルーキーは、かつて背番号37を背負った緒方孝市(現監督)と同様に、妥協なく自分と向き合う心意気がある選手であるということも忘れてはならない。
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