餃子、オリジナルビール……DeNAが目指す、ハマスタグルメ改革
横浜DeNAベイスターズとなってから、球団はオリジナルグルメの開発・販売に力を注いできた。今シーズンから発売している『ベイ餃子』は好評、球団オリジナル醸造ビールも充実している。オリジナルグルメ開発の背景に、球団のどのような思いが込められているのだろうか。担当者に話を聞いた。
2018/07/25
横浜DeNAベイスターズ
『ベイ餃子』はチャレンジ
試合開始前になると買い求める客で長蛇の列ができる。今シーズンから横浜スタジアム内で販売開始になった球団オリジナル餃子『ベイ餃子』が大好評だ。
「嬉しいですね。私たちとしては“美味しい”は絶対条件として、横浜スタジアムでしか食べられないオリジナル性を追求する努力をしています。とにかく、本物にこだわる。ここだけはブレずにやっていきたい」
こう語るのは、横浜DeNAベイスターズ事業本部MD部飲食グループのリーダーである浦田晃仁さんだ。
振り返れば2016年に実現した横浜スタジアムとの一体経営以降、球団は、球場内でオリジナル飲食を販売している。今シーズンの目玉は『ベイ餃子』だが、商品完成に至った経緯を浦田さんは次のように教えてくれた。
「新しいメニューを考えるのは、シーズンが終わった10~11月になります。流行りのフードなど多くのアイディアが出ましたが、今回は球団オリジナル醸造ビールに合う中華のラインナップがこれまでないということ、さらに、近隣に横浜中華街もあり親和性も高いので“焼き餃子”に決定しました」
餃子を提供している名店を徹底的にリサーチし、明治27年創業の老舗『江戸清』と共同で商品開発をすることが決定。こだわったのは、“もちっとした食感”と“あふれる肉汁”。観戦に不向きなタレを使わず、味付けを濃くした。そんなこだわりのジャンボサイズの焼き餃子は、でき立て熱々、ニンニクの風味が効いて非常に美味である。
しかし、開発には困難が立ちふさがった。
「他のスタジアムで焼き餃子を提供しているところは非常に少ないんです。なぜならば、オペレーションを組むのが大変だから」
オペレーションとは簡単に言えば、どのように調理し、何分で提供できるか、といったことなのだが、でき立ての焼き餃子は、その点において非常に手間を食うものだった。事実、オープン戦開幕間近の2月ぐらいまで、餃子を焼く機械を選定しテストを繰り返したという。試行錯誤の末、7台の餃子焼き機を用意し、『ベイ餃子』を提供している。
前例がないチャレンジ。このあたりはペナントを戦うチームの姿勢とリンクする。
「それこそ球団が求め、私たちが飲食として目指している部分なんだと思います」