次代を担う捕手の確立が混セを制すカギ 谷繁監督が松井雅人を起用する理由
4月12日で全6球団がひとまわりの対戦を終え、14日試合前の時点では昨年のA・Bクラスがきれいに逆に並んでいる。例年にない混戦が予想させるセリーグ。その要因の一つに捕手があげられる。中日の谷繁元信監督も、我慢強く松井雅を育てようとしている。
2015/04/14
混セの要因は捕手の世代交代
セリーグのペナントレースは、4月12日で全6球団がひとまわりの対戦を終えた。中日と横浜DeNAが9勝6敗で首位に並び、東京ヤクルトが8勝7敗で追う。以下、巨人が7勝8敗、阪神が6勝8敗、広島が5勝9敗と、昨年のA・Bクラスがきれいに逆に並ぶ下剋上のスタートは、例年にない混戦を予想させる。
粘り強く勝ち星を拾っていく中日にとっては、願ってもない展開と言っていい。
その原因のひとつは、捕手の世代交代にあるだろう。
小林誠司(巨人)、梅野隆太郎(阪神)、會澤 翼(広島)、黒羽根利規(横浜DeNA)、中村悠平(東京ヤクルト)、中日でも松井雅人が正捕手候補とされ、どの監督もベテランとの併用というよりは本格的に彼らに任せながら、ディフェンス面を整備して優勝を争おうと目論む。
もちろん、シーズン通してマスクを被るのは初めての経験ゆえ、特にリード面での未熟さが勝敗に与える影響は少なくない。つまり、今季のセリーグは、故障やケガといった不測の要素に加え、若手捕手への投資というリスクを抱えながら戦う。
実際、中日は阪神との開幕戦に山井大介が先発し、6回まで3-0と完璧な試合運びを見せた。山井も1安打の好投だ。ところが、終盤になると松井雅の配球(投手の投げたいボールを投げさせたことも含めて)がことごとく読まれ、8回に追いつかれて延長10回にサヨナラ負けした。高い授業料を払わされる結果となっているが、自身もそうして成長した谷繁元信監督は、我慢強く松井雅を育てようとしている。