低打率なのに、脅威の生還率! 千葉ロッテ打線に荻野貴司が必要な理由【ほぼ週刊マリーンズ#2】
昨季はシーズン途中に10連敗も喫した難敵・ファイターズとの2連戦を、なんとか五分で切り抜け、今日からはひさびさのホームで、同率3位・ホークスとの3連戦。そこで今回は、デスパイネの合流でようやく役者もそろったマリーンズ打線のカギを握る、荻野貴司の隠れた“実績”について書いておきたい。
2015/04/17
“斬り込み隊長”荻野の打率・出塁率に表れない“仕事”ぶり
目下、マリーンズファン最大の関心事と言えば、グリエルと違ってしっかり来日してくれたデスパイネの合流によって、ますます混沌としてきたスタメン争いがどうなるか、だ。
デスパイネがDHに入れば、好調な根元俊一や福浦和也は使えなくなるし、かと言って、不振の鈴木大地に代えてショートに根元では守備力という部分でどうにも心許ない。DHの枠を空けるには、デスパイネをレフトで使うしかないけど、そうなると今度は外野も心配……とまぁ、巷のファンたちのあいだでは、当の伊東監督を差しおいた、監督目線の熱い議論が喧々囂々飛び交っていることだろう。
だが、こうした「要・不要」論のなかでも、不思議と俎上にのぼってこない男が1人いる。そう、成績の面では、打率1割台と大不振の大地と同じくらいパッとしない、2割そこそこの打率なのに、ここまで全試合にスタメンで起用されている“幕張のスピードスター”荻野貴司、その人だ。
では、斬り込み隊長としてはいささか物足りないにもかかわらず、首脳陣からも、ファンからも、彼が「やっぱり必要でしょ」というジャッジを下されているのは果たしてなぜか。その答えを解く一つのカギとも言えるのが、パリーグ打者の個人成績を「得点」順に並び替えた下記の表だ。
打率3割前後のアベレージヒッター、もしくはホームランで自らホームを踏むことのできるスラッガータイプの顔ぶれが並ぶなかに、ごくごく平凡な成績の彼が混じっているのは何とも奇異な印象を受けるが、こと「得点」に限ってみれば、当の荻野が今江敏晃と並んでチームトップ。
数字自体は、マリーンズの試合がなかった昨日の時点で多少の変動はしているものの、打率.211、16回の出塁でその半数以上となる9回もホームを踏んでいるのだから、その数字はもはや驚異的。トップの西武・浅村栄斗が、同じく28回の出塁で11得点なのと比べても、十二分に特筆に値すると言えるだろう。