”魔の7回” 最下位のオリックス・バファローズ、V字回復のカギは救援投手【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、優勝候補に挙げられながら最下位に沈むオリックス・バファローズについてだ。
2015/04/18
僅差で負ける投打の弱点
昨日でセ・パ両リーグは7カード目の対戦を終えた。同一リーグの全球団との対戦を終えて2巡目、そろそろ今季の勢力図が見えてきた。
両リーグともに下馬評の高かったチームが開幕ダッシュに失敗しているが、とりわけオリックス・バファローズの不振が目立つ。
先日、ようやく3勝目を挙げたばかりだ。
今回はこのチームにいったい何が起こっているのか、データで見てみたい。
まずは基本的な投打のデータでの6球団の比較だ。WHIPは1回当りに出した走者(安打、四死球)の数。SO/BBは奪三振数を与四球数で割ったもので制球力を表す。SV+HDはセーブ数とホールド数の計である。
当たり前の話だが好調な球団は数字が良く、不調な球団は悪い。
オリックスは、チーム打率がリーグ最低。生還率が最下位ではないのは、まだ多少ともタイムリーが出ているということだ。
得失点差は楽天のほうが悪い。これはオリックスが「僅差で負けている」ことを意味している。
現在、NPBはセ・パともに投高打低。パのリーグ平均防御率は3.05だ。オリックスの3.54は、一般的には悪いとまでは言えないがリーグ平均からは劣っている。
それ以上に投球で目立つのはWHIP、SO/BBの悪さだ。走者を多く出していることを意味する。
勝利が3つしかないのだから、SV+HDが最低なのは当然である。
試合運びを見てみよう。オリックスのイニング別の得失点を集計した。
立ち上がりは悪くない。しかし2回、3回と投手は失点を重ねる。
ポイントとなるのは7回だ。オリックスは18試合で2点しかとれず、15点も失っている。
7回は先発投手からセットアッパーに交替するタイミングである。ここで失点をすることで試合を落としているのだ。
オリックスの不振の大きな原因に、救援投手があることが浮かび上がってくる。