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”魔の7回” 最下位のオリックス・バファローズ、V字回復のカギは救援投手【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、優勝候補に挙げられながら最下位に沈むオリックス・バファローズについてだ。

2015/04/18

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投打で欠く主力選手

 投打の選手成績も見ておこう。まずは野手だ。

広尾様0418表3

 今年の補強の最大の目玉であったブランコは、4月早々に左ひざ痛で登録抹消。これは大きな誤算だった。
 4月8日にはヘルマンが右太もも裏の肉離れで離脱した。

 試合に出ている選手も、不振が続いている。レギュラーに打率1割台の選手が3人、出塁率2割台の選手が4人。そもそも塁上に走者が出ていないのだ。
 昨年の首位打者糸井は復調の兆しがあるが、中島裕之、小谷野栄一という新戦力も冴えない。
 外国人野手が離脱したため急きょ獲得したカラバイヨが孤軍奮闘している。
 打線は水ものと言われる。ブランコが復帰し、主力選手が本来の調子を取り戻せば、復活する可能性はあるが、失速したまま終わってしまう可能性もある。
 まだ挽回可能な序盤の内に勢いを取り戻すことが重要だろう。

 投手陣、先発、救援に分けた。昨年の防御率も参考までに載せる。

広尾様0418表4

 金子と比嘉という先発、救援で最も頼りになる投手が今年、投げていない。打のブランコも含め「今年の目玉」が3枚も不在なのだから、今の窮状も仕方がないとは言えるのだ。
 さらにクローザーの平野佳寿も4月上旬に右足首を痛め、登録抹消されている。

 先発投手の平均投球回に注目してほしい。6人の先発のうち、松葉、新人の山崎を除く投手は平均して6回以上投げている。防御率にはばらつきはあるが「試合を作る」という先発の最低限の仕事は果たしているのだ。
 細かく見れば四球数が多い投手が気にはなるが、金子の穴を埋める努力はしているといえるだろう。

 やはり救援投手だ。昨年、比嘉とともに神がかった投球を見せた佐藤達也が打ち込まれている。
 そして安定感のあるセットアッパーだった馬原も不安定だ。
 マエストリは頑張っているものの、比嘉、平野佳寿も含め、昨年の「勝利の方程式」を形成した4人の救援投手の誤算が、オリックスの不振の最大の原因だ。

 チームは、昨年は二軍暮らしが長かった海田や阪神から獲得した白仁田などの新戦力を抜擢してしのごうとしているが、質、量ともにまだ足りない。

 オリックスに必要なのは「名前」ではなく「本当に働ける」選手を見極めることだろう。
 開幕当初のプランをいかに修正し、新しいチームを作ることができるだろうか。

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