ファイターズの重要なテーマ――”意味ある敗北にした”松本剛の一打
ファイターズは、チームそのものが成長過程にある。6割がペナント優勝ラインとなっている中で、どんなチームでも10試合のうち4試合は負ける。その4試合の敗北をどこまで意味のあるものにするか。今季のファイターズのテーマでもある。
2015/04/18
どんなに強いチームでも10試合中4試合は負ける
対戦2巡目に突入した敵地での楽天3連戦の初戦は、2‐7の完敗に終わった。今季2度目の先発となった斎藤が3回途中4失点と打ち込まれ、打線も最終回に2点を返すのがやっとだった。
プロは結果がすべて。だがシーズン中、ほぼ毎日のように試合が行われるプロ野球では敗北は避けられない。どんなに強いチームでも、10試合中4試合は負けるのだ。
実際に過去の記録を紐解くと、6割を超える勝率を残しながら優勝を逃したチームは少ない。
戦力格差が大きかった1950年代は勝率7割台の優勝が珍しくなく、6割台で優勝を逃すケースも少なくなかった。だが、ドラフトの導入もあって戦力は拮抗。80年代以降、勝率6割を超えたチームはほぼ確実に優勝するようになった。6割で優勝を逃したのは86年の巨人、91年の近鉄、2005年のソフトバンクだけだ。
勝つために全力を尽くしながらも、敗北を不可避なものとして受け入れる。このようにプロ野球には相矛盾したところがある。それは7割近くが失敗に終わる、打撃にも通じることだ。
無数の凡退と敗北から何をつかむか――。
それがいい選手とそうではない選手、勝つチームとそうではないチームを分ける境界線だといっても過言ではない。
意味のある敗北を、いかにして作るか。いや、敗北をいかにして意味のあるものにするか。
このことはとりわけ日本ハムにとって、重要なテーマではないかと思う。なぜならベテランが少ないこのチームは、実戦経験の中で若手を鍛えるしかないからだ。