デーブ楽天、超機動力野球は機能しているのか? データから見える現在地と課題
目指すは年間200盗塁。昨年リーグ最少タイの64盗塁に終わった楽天イーグルス。果たして、開幕から大久保新監督が目指す機動力野球は機能しているのだろうか。
2015/04/22
ベースボールチャンネル編集部
無死、1死からでも積極的に仕掛けられるか?
相手からしてみれば2死だ。走者を気にせず、打者との勝負に専念し、打者さえ打ち取ればいいのである。
楽天の盗塁成功率が7割を超え、開幕から13連続成功できた一因は、走らせても構わないという相手心理も大きかったはずだ。今後はいかに無死、1死から積極的に仕掛けることができるかがカギになる。
また、盗塁作戦の目的には、投手の投球割合を変えさせ、味方打者有利の状況を演出する点にもある。走者が塁に出れば、投手は盗塁を警戒し、走られたくないので速球主体の配球になる。球速が遅い球種も当然使いづらくなる。そうすると打者は狙い球を絞りやすいのだ。
聖澤が盗塁王に輝いた2012年は実践できていた。速球割合は走者なしで51.8%だったが、走者一塁で58.2%まで増加。遅い球種の代表例でもあるカーブは、7.3%から4.1%に減少した。しかし、今季は表にも掲げたように、足で打者有利の配球を作るまでにはまだ至っていない。私が毎試合つけているデータを基にすれば、速球は走者なし55.5%が、走者一塁では50.6%。逆に減少した。カーブも11.7%から10.1%、僅か1.6%という小幅な減少幅に止まった。
これも2死企図が多いのが原因のひとつだろう。相手バッテリーが打者との対戦に集中できている証拠とも言える。盗塁成功直後の楽天打者の打率は.200に抑えられている。足でもっとプレッシャーをかけるのなら、リスクを承知で無死、1死からの仕掛けを増やすべきだ。
そして背番号23・聖澤諒の復活。現在スランプでスタメンを外れているが、2年連続で50盗塁の実績を持つスピードスターの復調なくして、超機動力野球は完成しない。
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