西武、今季の強さは得点力にあり。特筆すべき機動力、明暗分けた3連戦で生まれたゆとり【小宮山悟の眼】
2018/09/22
明暗分けた3連戦、西武とソフトバンクにある精神的な差
この3連戦でくっきり勝敗が分かれた影響は大きい。西武はマジックが点灯して、いよいよ優勝までのカウントダウンとなった。西武とソフトバンクの精神的な差は大きい。西武はソフトバンクとの直接対決を4試合残しているが、27日からの3連戦は1つ勝つことだけを考えて臨むことができる。気持ちには相当ゆとりがあるだろう。
一方、ソフトバンクは3連勝したい。3勝でゲーム差を詰めようとするチームと、1勝すれば1ゲーム差しか縮まらないと考えるチームでは、気持ちの持ちようが大きく異なるというものである。
2位・ソフトバンクと3位・北海道日本ハムファイターズが逆転優勝する可能性が消えたわけではない。ソフトバンクも日本ハムも最後まであきらめずに臨んでくるはずだ。これから必要なのは起爆剤のような存在だ。
ソフトバンクは柳田、日本ハムは清宮幸太郎だろう。
柳田は練習前のアクシデントで脳震盪による登録抹消となったが、特例措置により早期に戻ってくることができる。長引くようだと大きな痛手になるが、早くに戻ってくることができれば巻き返しのチャンスはある。
日本ハムはナイン全員が必死に頑張っているところだが、現時点の物足りなさは何かといったら清宮幸太郎だ。デビューしたてのころのような新聞の一面になるような活躍を見せれば盛り返してくることは可能だ。
ペナントの趨勢は天王山で大きく傾いたが、この後どう動いていくのか。最後まで優勝の行方に目が離せない。
小宮山悟(こみやま・さとる)
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家を務める。
氏原英明