“借金抱えCS進出”で浮き彫りになった問題点。「最大の番狂わせ」前に改革案を【小宮山悟の眼】
プロ野球はセ・パ両リーグの優勝が決まり、13日からクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージが始まる。セ・リーグ3位は決定していないが、今季成績を見るとCS制度の問題点が浮かんでくる。
2018/10/03
セ・パ2チームずつが妥当
プレーオフ制度が長く定着しているMLBでは、全30球団のうち、ポストシーズンに進めるのはアメリカン・リーグとナショナル・リーグからいずれも5チーム。つまり3分の1だ。MLBに倣うならば、NPBはセ・パいずれも2チームによるCSが妥当なのではないか。そして、優勝チームにホームゲームアドバンテージを設けるのだ。
首位を独走して優勝チームでも、ホームで全試合開催ができるならプレーオフの制度として納得できるだろう。一方、2位のチームはアウェイに乗り込んで試合をする苦しさはあるが、ポストシーズンに滑り込みたいと考えるだろう。
1つのチームが突っ走るということは、2位以下は混戦になるはずだ。そうなるとどこがプレーオフに進出するかという面白さが出てくるはずだ。
ルールを変更すると、様々な議論が巻き起こるのは当然だ。ただ、そもそもポストシーズンが成熟していない日本では不備だらけになるのはある意味仕方がない。
スポーツの先進国である米国は、ほぼすべての競技においてレギュラーシーズンはポストシーズンに出るためのチケットを獲得するという文化がある。一方、日本は一発勝負、勝った、負けたに一喜一憂する風潮がある。
そんな環境を数年で改めるのは難しいだろう。ルールの不備を少しずつ改善していってCSをいい方向へと導いて欲しい。
小宮山悟(こみやま・さとる)
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家を務める。
氏原英明