遅れてきた大型ショート・白崎浩之、指揮官の厳しい評価を覆せるか?
春季キャンプで指揮官はある選手に対して、厳しい評価を下した。しかし、その男は黙々と二軍で準備を行い、先日ようやく一軍昇格を果たした。白崎浩之――DeNAベイスターズの内野陣は彼によって、さらに熾烈な競争となる。
2015/04/27
怪我で、3年連続春季キャンプを離脱
それまで柔和だった中畑清監督の表情が、ある選手の名を口にすると厳しいものに一変した。そして強い口調で「勝負にならない」と言い放った――。
2月上旬の宜野湾キャンプ。中畑監督に今シーズンの展望を聞いていたときのことだ。成長著しい若手選手たちのことをポジティブに語る中畑監督に対し白崎浩之について尋ねると、声のトーンが一気に落ちるのがわかった。
「今はもう、いる選手だと考えるのはちょっと厳しいかもしれない。これだけケガが多い選手というのは、いざというとき安心して使えない。彼は彼で自分に何が足りないかということを、休んでいる間に考えるべきだね。何年も同じ間違いを繰り返すということは、何かしらが足りないということ。ホント、自覚を持ってくれないと困る」
第2クールの初日である2月7日、白崎はシートノック中に左ふくらはぎを負傷。診察の結果、肉離れであることがわかり、キャンプを離脱した。白崎のケガによるキャンプ離脱はルーキーイヤーから数えて3年連続となる。一昨年は太もも前部を肉離れ、昨年は左背部痛のケガを負っている。
白崎は2012年のドラフト1位であり、駒澤大学出身で中畑監督の直系の後輩ということを考えれば、中畑チルドレンの中核をなす選手だといってもいい。だからこそ中畑監督の口調も厳しいものとなる。
「こういうことをしていると若い人間にチャンスが行ってしまう。チャンスをもらっている立場なのに、自らチャンスを手放してしまっている状態。このままじゃ終わっちゃうよ」
三行半ともいえる厳しい言葉。その後、白崎に代わり一軍キャンプに飛雄馬が昇格し、いい動きを見せると開幕1軍の切符を手にし、中畑監督の言葉は現実のものとなった。また本来ポジション争いをする相手だったルーキーの倉本寿彦がオープン戦で非凡な姿を見せ、開幕スタメンを飾っている。
結果、白崎の話題は必然的に減っていき、開幕当初は完全に存在感をなくしていた。